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【実例つき】ベンチャー・スタートアップ転職は「やめとけ」?後悔する人の特徴と気をつけるべきポイントを解説

ベンチャー・スタートアップ転職が 「やめとけ」「後悔する」と言われる理由

ベンチャー・スタートアップの裁量の大きさや、経営への近さ、成長幅に惹かれて、転職を検討している人は多いですが、「やめとけ」や「後悔」という言葉を見かける方も多いのではないでしょうか。

勢いのある成長企業への転職は魅力的ですが、同時にリスクも伴います。

この記事では、リスクとその回避方法について、実例とともに解説します。

・ベンチャー・スタートアップ転職が「やめとけ」「後悔する」と言われる理由
・ベンチャー・スタートアップで働くメリット
・ベンチャー・スタートアップに向いている人
・ベンチャー・スタートアップ転職を成功させるための方法
・実際に転職した3名の体験談

目次

ベンチャー・スタートアップとは?

ベンチャーとは

ベンチャー企業とは、急成長を目指す新興企業のことです。一般的に、創業から比較的日が浅く、リスクを恐れず挑戦的な事業展開を行う企業を指します。

大企業とは異なり、機動力や柔軟性が高く、市場の変化に素早く対応できる特徴があります。

近年では、IT・バイオ・環境技術などの分野で多くのベンチャー企業が誕生し、成功を収めています。

メガベンチャーとは

メガベンチャーとは、ベンチャー企業としての特徴を持ちながらも、一定以上の規模や売上を達成し、大企業としての側面を兼ね備えた企業のことです。

例えば、急成長したIT企業やテクノロジー企業がこのカテゴリーに含まれます。これらの企業は、革新性を維持しつつも、経営基盤が安定している点が特徴です。

多くの場合、国内外での事業展開を行い、大きな市場影響力を持っています。

日本においては、下記のような企業がメガベンチャーと呼ばれています、。

メガベンチャーの事例
・株式会社サイバーエージェント:1998年設立、売上高 8,030億円(FY2024)
・株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA):1999年設立、売上高 1,367億円(24年3月期)
・株式会社MIXI(ミクシー):1999年設立、 売上高 1,469億円(24年3月期)

スタートアップとは

スタートアップとは、革新的なアイデアや技術を基に創業された、成長初期段階にある企業のことを指します。

ベンチャー企業と似た概念ですが、より初期段階の企業を指す傾向があります。

スタートアップ企業は、急成長を目指し、積極的な資金調達を行いながら事業を拡大していきます。

特徴として、従来の業界の常識に囚われない新しいビジネスモデルや、最新技術を活用したサービスを提供することが多いです。

多くのスタートアップは、シリーズと呼ばれる段階的な資金調達を行いながら成長を目指しています。欧米ではスタートアップという表現が一般的ですが、日本ではベンチャーという言葉が広く使われています。

スタートアップの事例

ベンチャー・スタートアップ転職が「やめとけ」「後悔する」と言われる理由

ベンチャー・スタートアップが「やめとけ」と言われる理由

ベンチャー・スタートアップ転職は、成長の機会ややりがいを求める人にとって魅力的な選択肢となる一方で、「やめとけ」「後悔する」といったネガティブな意見も耳にすることがあります。

この章では、ベンチャー・スタートアップ転職で後悔するかもしれない理由を詳しく解説します。

デメリット詳細
年収大企業と比較して低い傾向。ストックオプションで将来的なリターンを狙う場合も。
経営の安定性倒産リスクや事業縮小の可能性も考慮が必要。
ワークライフバランス長時間労働になりやすい傾向。企業文化によっては柔軟な働き方も可能。
教育・福利厚生大企業と比較して未整備の場合が多い。自己研鑽が必要。
責任の大きさ少人数体制のため、個人の成果が業績に直結するプレッシャーも。
方針の変更市場の変化への対応のため、方針転換が頻繁に起こることも。

年収が下がる場合もあるため

スタートアップ・ベンチャー企業では、大企業に比べて年収が下がるケースが多いです。

資金調達の状況や事業の成長フェーズによって異なりますが、安定した高収入を求める人にとってはデメリットとなるでしょう。

例えば、伝統的な大企業で存在する「業績連動ボーナス」や横並びの昇格・昇給は一般的ではありません。

スタートアップ・ベンチャーは成長期にあるため、企業の内部留保(ため込んだ利益)をいますぐに株主や社員に還元するのではなく、新たな事業投資や採用などにつかう傾向があります。

また、上場前のアーリーステージの企業では、ストックオプションが付与される代わりに、現時点での年収は低く抑えられる傾向があります。

将来的な企業価値の上昇に期待をかける必要がありますが、リスクも伴います。

大手商社からFinTechベンチャーへ転職した方(28歳・男性)

「総合商社で3年ほど働いた後、金融系のベンチャーに転職しましたが、ボーナスのあった前職から、年俸制+ストックオプションに切り替わり、年収は100万円以上下がりましたね。(笑)家族の反応は問題なかったので、そこは安心できましたが、自分がしっかり成長しなければ、と改めて思った瞬間でした。」

ストックオプションについては「【0からわかる】ベンチャー転職でストックオプション(SO)を得るメリット・注意点について完全解説」もご覧ください。

経営が不安定

スタートアップ・ベンチャー企業は、新しいビジネスモデルに挑戦しているため、経営基盤が安定していない場合があります。

資金調達がうまくいかず、最悪の場合倒産してしまうリスクも考慮しなければなりません。

リスクは財務的だけでなく、注力している事業のピボット(方向転換)や、スピーディな組織改変(異動・リストラ)なども日常的に行われることがあります。

同じ仕事を淡々とこなしたい人、なるべく失敗せずにコツコツ仕事に取り組みたい人にとってはデメリットが大きいでしょう。

キャリア大全編集部

急成長していた有名ベンチャー企業が、大企業の参入により地位を脅かされ、事業をたたんでしまう、という事例は昨今よく見られます。
中にいる人がクビになるわけではありませんが、市場の変化と競争に激しくさらされることへの耐性は必要です。

ワークライフバランスを保ちにくい

ベンチャー・スタートアップでは、限られた人数で多くの業務をこなさなくてはいけないため、長時間労働になりやすいです。

ワークライフバランスを重視する人にとっては、厳しい環境となる可能性があります。

常に変化の激しい状況の中で、柔軟な対応が求められ、プライベートの時間を確保することが難しい場合もあるでしょう。

ただし、企業文化によってはワークライフバランスを重視しているベンチャー・スタートアップも存在します。

上場しているベンチャーだと、ワークライフバランスが保ちやすい企業も一定数います。

大手人材企業からHRスタートアップへ転職した方(27歳・女性)

「大手人材企業でCA(キャリアアドバイザー)として3年勤めて、現在はHR系のSaaS企業にCA(カスタマーサクセス)として在籍しています。個人としての知識のキャッチアップもそうですが、会社全体として、IPOに向けて業績を大きく伸ばしたいタイミングなので、全員が緊張感を持って仕事をしています。それゆえ、残業時間は60時間ほどあります。仕事は楽しいですが、結構こたえますね…」

教育制度や福利厚生が未整備

ベンチャー・スタートアップは、大企業に比べて教育制度や福利厚生が未整備であることが多いです。

研修制度やキャリアパスが明確でない場合もあり、自己研鑽が必要となる場面も多いでしょう。

福利厚生についても、大企業のような充実した制度は期待できない場合が一般的です。自分で必要なスキルを習得し、キャリアを築いていく主体性が求められます。

ただし「考える余裕がない」というパターンもあるので、自ら研修や福利厚生制度を提案する社員もいるようです。

キャリア大全編集部

・社員自らが新しい制度の提案をして受け入れられた事例
・育成に定評があったリーダーが、新入社員研修を設計する事例
など、未整備な中で柔軟に対応する企業は多く見られます。

求められる責任が大きい

ベンチャー・スタートアップ転職では、一人ひとりの社員に求められる責任が大きいです。少人数で事業を運営しているため、個人の成果が業績に直結します。

プレッシャーを感じやすい人にとっては、負担が大きいと感じるかもしれません。

また、自分の担当領域以外にも、幅広い業務に携わる機会が多いため、柔軟性と対応力が求められます。

「自分がここまでが担当、あなたはここから先の担当」というような職務意識は、時に障害になることもあります。

キャリア大全編集部

各人の明確な職務定義がない中では、スペシャリストよりもジェネラリストが求められることが多いですし、自分のKPIだけでなく、その周辺のKPIまで見れる人は重宝されます。

私の近くにいたマーケターは、自分の獲得したリードからの成約率の低さを解決するために、営業のスクリプトや体制まで見ていました。

方針の変化が激しい

スタートアップ・ベンチャー企業は、市場の動向や競合の状況に応じて、事業戦略や組織体制を柔軟に変更していく必要があります。そのため、方針や目標が頻繁に変わる可能性があります。

四半期目標の修正や、人事異動などは日常的に発生します。変化への対応力が高く、臨機応変に行動できる人でなければ、戸惑ってしまうかもしれません。

また、変化の激しい環境の中で、常に最新の情報をキャッチアップし、学び続ける姿勢が重要です。

これらのデメリットを理解した上で、自身のキャリアプランと照らし合わせて転職を検討することが重要です。

キャリア大全編集部

私が大手人材企業からスタートアップに転職した時は、プレイングマネージャーとしてのスタートでした。これまでに経験していなかったマネジメントと、プレイングどちらもやらないといけなかったのでハードでしたが、成長実感はものすごかったです。

年代別のリスクについてはこちらで解説しています。

スタートアップ・ベンチャーで働くメリット

スタートアップ・ベンチャーで働くメリット

スタートアップやベンチャー企業で働くことは、大企業では得られない多くのメリットがあります。

・主体的なキャリア形成ができる
・経営に近い立場で仕事ができる
・裁量が大きい
・キャリアアップが早まる

主体的なキャリア形成ができる

スタートアップやベンチャー企業では、組織の仕組みがシンプルなため、社長や役員と気軽に話ができ、会社全体の動きや経営者の考えを理解しやすい環境です。

また、物事の決定が早いため、自分が「こうしたい」と提案したことや実際に行動したことが、すぐに形になるのが分かります。これは大きなやりがいにつながります。

年齢や会社での経験年数に関係なく、実力があれば大切な仕事や大きなプロジェクトを任されるチャンスもあります

このような経験は、将来のキャリアを広げる上で大きな強みとなります。

経営に近い立場で仕事ができる

経営に近い立場で仕事ができることも魅力です。

スタートアップやベンチャー企業では、経営者のすぐそばで働き、会社の大切な決定に関わることも多いです。

自分の仕事が会社の成長にどう役立っているのか、すぐに実感できます。

また、経営者の考え方や会社を成長させるためのやり方を近くで見て学べるため、ビジネスパーソンとしての成長も早くなります。

「WEB広告代理店から、マーケティングのソリューションを提供するベンチャーに転職しました。
代理店もフラットで若い組織ではありましたが、かなり組織化されていたので、経営の話はあまり入ってこず、基本的には数値を追いかけていました。
現職では、社長が皆の名前を覚えていて、「社長」ではなく「〇〇さん」と呼び合っていたことに衝撃を受けました。他にも「入りたてのあなただからこそ感じる課題を教えてほしい」「今後の業績は踊り場が来る」といったネガティブな話題含めて、社員と経営陣の距離の近さを感じます。
私の周りには、社長に直訴して新しいサービスの開発を任せられている人もいます。
(28歳、女性)

裁量が大きい

スタートアップ・ベンチャー企業では、一人ひとりの裁量権が大きく、自分のアイデアや意見を積極的に発信し、実行に移すことができます。

自分の仕事に責任とやりがいを感じながら、主体的に働くことができます。また、新しいことに挑戦する機会が多く、自分のスキルや能力を最大限に活かすことができます。

能力次第で早期にキャリアアップ・スキルアップがしやすい

スタートアップやベンチャー企業は、常に成長を続けている会社です。

そのため、新しい仕事や役割が次々と生まれてきます。年齢や会社での経験年数に関係なく、実力があれば早くに昇進できたり、新しい仕事にチャレンジできたりします。

また、1人で色々な仕事を担当することも多いため、たくさんのスキルや経験を短い期間で身につけられます。

会社の状況は日々変化するので、問題を解決する力や、状況に応じて柔軟に対応する力も自然と身についていきます。

このような経験で得られるスキルは、どんな仕事でも活かせる基本的な力となります。

そのため、将来のキャリアを考える上で大きな強みとなるはずです。

さらに、最新の技術や新しいビジネスの仕組みに触れる機会も多く、常に新しいことを学び続ける習慣が身についていきます

こうして培った力は、あなたの市場価値を高める大切な要素となっていくでしょう。

キャリア大全編集部

大企業でも横並びで確実に昇進する時代ではなくなってきていますが、「係長になるには〇〇歳以上でなければいけない」というような暗黙のルールだけが残っている企業も多いです。

その点、実力次第でどんどん昇進できるベンチャーの価値が高まっているといえます。

任せられる仕事の幅が広い

スタートアップ・ベンチャー企業では、人材不足が日常茶飯事のため、必然的に一人ひとりの担当範囲が広くなります。

そのため、様々な業務に携わる機会が得られ、幅広いスキルや経験を積むことができます。

ジェネラリストとして成長できる環境と言えるでしょう。また、自分の得意分野だけでなく、新たな分野に挑戦することで、自身の可能性を広げることができます。

新しい技術やビジネスモデルに触れる機会が多い

スタートアップ・ベンチャー企業は、新しい技術やビジネスモデルを積極的に導入する傾向があります。

そのため、最先端の技術やビジネスに触れる機会が多く、常に新しいことを学び続けることができます。

これは、市場価値の高い人材となるために非常に重要な要素です。

また、革新的なアイデアやプロジェクトに携わることで、大きな刺激とやりがいを感じることができます。

やりがいが大きい

スタートアップ・ベンチャー企業では、会社の成長を間近で感じることができ、自分の仕事が会社に貢献しているという実感を得やすいです。

また、仲間と一丸となって目標達成を目指す一体感も大きなやりがいに繋がります。

さらに、社会にインパクトを与えるような革新的なサービスや製品の開発に携わることで、大きな達成感を得られるでしょう。

自分の仕事が社会をより良くすることに繋がっていると実感できることは、大きなモチベーションとなります。

会社の成長をダイレクトに感じられる

スタートアップ・ベンチャー企業は成長過程にあるため、会社の変化や成長をダイレクトに感じることができます。

自分の仕事が会社の成長にどのように貢献しているのかを明確に理解することができ、大きなやりがいへと繋がります。

また、会社と共に成長していく実感を味わうことができるため、仕事へのモチベーションを高く維持することができます。

チームワークを重視した環境

スタートアップ・ベンチャー企業というと、個人主義でエゴの強い人ばかりのように思う人もいますが、少人数で大きな目標に挑戦するため、実際のところはチームワークが非常に重要視されます。

仲間と協力し合い、互いに支え合いながら仕事を進めることで、強いチームワークと一体感が生まれます。

これは、仕事における大きなやりがいへと繋がり、困難な状況でも乗り越える力となります。

仕事も簡単ではないため、自然と絆も芽生え、プライベートでも付き合いのある社員が多いです。

これらのメリットを踏まえ、ご自身のキャリアプランや価値観と照らし合わせて、スタートアップ・ベンチャー企業への転職を検討してみてください。

スタートアップ・ベンチャーに向いている人の特徴

スタートアップやベンチャー企業で活躍するためには、大企業とは異なるスキルやマインドセットが必要です。

どのような人がスタートアップ・ベンチャー企業に向いているのか、具体的に見ていきましょう。

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特徴詳細
主体性指示待ちではなく、自ら考え行動できる
責任感自分の仕事に責任を持ち、最後までやり遂げる
学習意欲常に新しい情報や技術を学ぶ意欲がある
柔軟性変化に柔軟に対応し、適応できる
成長意欲現状に満足せず、常に成長を目指している
目標達成意欲高い目標を設定し、達成に向けて努力できる
コミュニケーション能力円滑なコミュニケーションを図り、チームワークを築ける
リスクテイク精神失敗を恐れず、チャレンジを楽しめる
自律性自ら計画を立て、実行し、自己管理できる

主体的に責任を持って仕事ができる人

スタートアップ・ベンチャー企業では、一人ひとりの裁量が大きく、責任ある仕事を任される機会が多いです。指示待ちではなく、自ら課題を見つけ、解決策を考え、実行に移せる主体性が重要です。

また、自分の仕事に責任を持ち、最後までやり遂げる責任感も必要不可欠です。

学習意欲が高く、変化に柔軟な人

スタートアップ・ベンチャー企業は、変化の激しい環境です。

新しい技術や情報に常にアンテナを張り、学び続ける意欲が求められます。

また、市場の変化や会社の成長に合わせて、柔軟に自分の役割や仕事内容を変えていける適応力も重要です。

固定観念にとらわれず、常に新しいことに挑戦できる人が向いています。

成長のための努力を惜しまない人

スタートアップ・ベンチャー企業で働くことは、自身の成長にも大きく繋がります。

現状に満足せず、常にスキルアップを目指し、努力を継続できる人は、スタートアップ・ベンチャー企業で大きく成長できるでしょう。

困難な状況でも諦めず、成長意欲を持ち続けることが大切です。

目標達成意欲が高く、成果にこだわる人

スタートアップ・ベンチャー企業は、明確な目標を掲げ、その達成に向けて全社員が一丸となって取り組むことが多いです。

高い目標達成意欲を持ち、成果にこだわる人は、スタートアップ・ベンチャー企業で活躍できるでしょう。

また、目標達成のために、周囲を巻き込み、チームワークを重視できることも重要です。

コミュニケーション能力が高く、チームワークを大切にできる人

スタートアップ・ベンチャー企業では、少人数で様々な業務を担うため、社員同士の連携が不可欠です。

円滑なコミュニケーションを図り、チームワークを大切にできる人は、スタートアップ・ベンチャー企業でスムーズに仕事を進めることができます。

また、多様なバックグラウンドを持つメンバーと協力し、シナジーを生み出せることも重要です。

リスクテイク精神があり、チャレンジを楽しめる人

スタートアップ・ベンチャー企業は、常に新しいことに挑戦し、リスクを負いながら成長を目指しています。

失敗を恐れず、チャレンジ精神旺盛な人は、スタートアップ・ベンチャー企業の文化に適応し、活躍できるでしょう。

また、変化の激しい環境を楽しめることも重要です。失敗しないように、コツコツ・慎重に仕事を進めていくタイプの人にとっては戸惑いも大きいでしょう。

自律的に行動し、自己管理能力が高い人

スタートアップ・ベンチャー企業では、個人の裁量が大きく、自己管理能力が求められます。

手取り足取り教えてくれる上司や、自分の行動計画を厳密に管理してくれるメンターのような存在がいない場合も多いです。

それゆえ、自ら計画を立て、実行し、結果に責任を持つことができる人が重宝され、結果も出やすいです。

これらの特徴を参考に、ご自身の強みや適性と照らし合わせて、スタートアップ・ベンチャー企業への転職を検討してみてください。

さらに詳しい情報が知りたい方は「ベンチャー企業に向いている人の特徴、実際に働くメリットを解説!」をご覧ください。

後悔しないスタートアップ・ベンチャー転職をするには

後悔しないスタートアップ・ベンチャー転職をするには

スタートアップ・ベンチャー企業への転職は、大きなチャンスであると同時に、リスクも伴います。

入念な情報収集と準備が、後悔しない転職を実現する鍵となります。

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情報収集方法メリット注意点
企業ウェブサイト/SNS事業内容、企業文化、成長戦略などを理解できる公式情報のため、実態と異なる場合もある
カジュアル面談企業の雰囲気や社員の人となりを知ることができる選考ではないため、深い情報を得られない場合もある
口コミサイト現場の声を知ることができる情報の一面性に注意が必要
社員インタビュー社内の雰囲気や働き方を具体的に知ることができる公式情報のため、実態と異なる場合もある
転職エージェント非公開求人の紹介や面接対策などのサポートを受けられるエージェントとの相性も重要

自分の経験が活かせるか確かめる

スタートアップ・ベンチャー企業は、成長過程にあるため、大企業のように確立された業務プロセスや豊富なリソースがあるとは限りません。

これまでの経験やスキルを活かせるフィールドがあるか企業のニーズとマッチしているかをしっかりと見極めることが重要です。

募集要項だけでなく、企業のウェブサイトやSNS、ニュース記事などを確認し、事業内容や企業文化、成長戦略などを理解しましょう。

自分のキャリアプランと照らし合わせ、長期的な視点で成長できる環境かどうかを判断することが大切です。 

教育に携わっていたからEdTech、不動産知識を活かせる不動産売買系SaaSなど、業界や業務プロセスへの知識が深い領域ではたらくことで、キャッチアップに必要な時間を大幅に削減できます。

自分が働く業界で、課題に思ったことや解決したいことに取り組んでいるスタートアップなどに巡り合うことができれば、自らのキャリアと志向性を一致させることも可能です。

カジュアル面談や口コミサイトで入念に情報収集する

企業のホームページや求人票だけでは得られない情報は、積極的に収集しましょう。

カジュアル面談は、企業の雰囲気や社員の人となりを知る絶好の機会です。気になる点は遠慮なく質問し、疑問を解消しましょう。

カジュアル面談のプラットフォームとしてはPittaYOUTRUSTなどがあります。

また、転職会議などの口コミサイトも参考になります。

ただし、情報の一面性に注意し、複数の情報源を比較検討することが重要です。それ以外にもOpenWorkなどの口コミサイトも活用し、多角的な情報を集めましょう。

社員インタビューを読み、実際に会ってみる

企業のウェブサイトや採用ページに掲載されている社員インタビューは、社内の雰囲気や働き方を知る上で貴重な情報源です。

実際に働いている社員の生の声に触れることで、企業文化や価値観をより深く理解することができます。

可能であれば、社員紹介などを利用し、現場で働く社員に直接話を聞いてみるのも効果的です。

会社の雰囲気や仕事内容、キャリアパスなど、気になる点を具体的に質問し、疑問を解消しましょう。

エージェントに相談する

転職エージェントは、非公開求人の紹介や企業との交渉面接対策など、転職活動を全面的にサポートしてくれます。スタートアップ・ベンチャー企業に特化したエージェントも存在するため、自身の希望や条件に合ったエージェントを選び、相談してみましょう。

エージェントは業界の動向や企業情報に精通しており、客観的なアドバイスを受けることができます。

自分だけでは得られない情報視点を提供してくれるため、転職活動をスムーズに進める上で大きな助けとなります。

これらの方法を組み合わせて多角的に情報収集することで、企業の実態をより正確に把握し、後悔しない転職活動につなげることができます。焦らず、じっくりと時間をかけて、自分に最適な企業を見つけましょう。

スタートアップ・ベンチャーに転職した人の声

スタートアップやベンチャー企業への転職は、大きなキャリアチェンジとなるため、実際に転職した人の声を聞くことは非常に重要です。

ここでは、異なる背景やスキルを持つ3名の転職事例を紹介します。

自信を持ってすすめられる商材と、キャリアアップのスピードを求め異業種のCSになったAさん

「以前は大手メーカーで営業事務を担当していました。ルーティンワークが多く、キャリアアップのスピードにも限界を感じていたため、成長著しいITベンチャー企業のCS職に転職しました。」

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転職前転職後
大手メーカー 営業事務ITベンチャー企業 カスタマーサクセス
ルーティンワーク中心顧客折衝、課題解決、サービス改善提案など
キャリアアップのスピードに限界早期の昇進の可能性

「転職当初、IT業界の知識不足に不安を感じていましたが、会社が提供する研修制度先輩社員のサポートにより、スムーズに業務を習得できました。今では、顧客との信頼関係を築きながら、顧客の課題解決に貢献できています。前職と異なり、自分が提案したら、その日に『もうそれはAさんの言うとおりにしてみよう!』とサービス改善に繋がるなど、裁量権の大きさにもやりがいを感じます。『自信を持ってすすめられる商材を扱いたいキャリアアップのスピードを速めたい』という思いから転職を決意しましたが、今の環境にはとても満足しています」

Aさんの転職成功のポイント

  • 成長市場であるIT業界への転職
  • 顧客折衝スキルを活かせるCS職への転向
  • 会社が提供する研修制度の活用

Aさんのように、カスタマーサクセスのキャリアに興味がある方は下記記事もご覧ください。
カスタマーサクセス(CS)に向いている人とは?特徴、必要なスキル、成長方法を解説
カスタマーサクセスの年収は?年齢やプレイヤー・マネージャー・業界別に徹底解説!
カスタマーサクセスのキャリアパスとは?スペシャリストからマネジャーまで

これまでの営業知識を活かして、スタートアップで社内IS組織の立ち上げに携わるBさん

「大手SIerで5年間営業として勤務していました。大企業特有の組織の硬直性や、自分の裁量の小ささに物足りなさを感じ、業務管理系のSaaSを提供するスタートアップ企業に転職しました。現在は、インサイドセールス立ち上げメンバーとして、組織の立ち上げだけでなく、業務効率化のためのツール導入や、フィールドセールスとの協業プロジェクトの推進など、幅広く手掛けています。」

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転職前転職後
大手SIer 営業スタートアップ企業 情報システム部門
組織の硬直性風通しの良い社風
裁量の小ささ大きな裁量権

ゼロから組織を構築するという経験は、大きな挑戦であり、しんどいことも多いですが成長の機会として捉えていますね。スタートアップでは、自分の意見やアイデアが反映されやすい点が魅力です。スピード感を持って仕事を進められるので、大きなやりがいを感じています」

Bさんの転職成功のポイント

  • これまでの営業経験を活かせる職種への転職
  • 裁量権の大きい仕事への挑戦
  • スタートアップ企業の風土への適応

大手IT企業の営業から、スタートアップでDXコンサルタントになったCさん

「大手IT企業で法人営業を8年間経験した後、DXコンサルティングを行うスタートアップ企業に転職しました。大企業では、既存顧客へのルート営業が中心でしたが、スタートアップでは、新規顧客開拓や提案型の営業とその先のコンサルティングに挑戦しています。」

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転職前転職後
大手IT企業 法人営業スタートアップ企業 DXコンサルタント
ルート営業中心新規顧客開拓、提案型営業
既存サービスの提案最先端技術を活用したソリューション提案

最先端技術に触れる機会が増え、自身のスキルアップを実感しています。また、顧客のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するという部分は前職と変わらないものの、前職と比較して結果が素早く目に見えやすく、社会的意義を感じられてやりがいがあります。スタートアップは、変化のスピードが速く、常に新しいことに挑戦できる環境です。自分の成長を加速させたいと考えている人には、最適な環境だと思います。」

Cさんの転職成功のポイント

  • 成長分野であるDX領域への挑戦
  • 提案型営業へのキャリアチェンジ
  • スタートアップ企業のスピード感への適応

上記はあくまでも参考例であり、スタートアップ・ベンチャー企業への転職の成功は、個々の能力や適性、企業との相性など、様々な要因によって左右されます。

転職を検討する際は、転職サイトや転職エージェントなどを活用し、情報収集を徹底することが重要です。

不安を感じるなら、まずは情報収集を

ベンチャー・スタートアップ転職の不安解消方法

スタートアップ・ベンチャー企業への転職は、人生における大きな転換点です。

だからこそ、入念な情報収集を通して、本当に自分がその企業で活躍できるのか、成長できるのかを見極める必要があります。

情報収集不足のまま転職してしまうと、ミスマッチが起こり、早期退職に繋がる可能性も高まります。

転職活動における情報収集は、企業研究だけでなく、業界研究や職種研究も含まれます。

徹底的な情報収集は、転職の成功確率を高めるだけでなく、入社後のギャップを最小限に抑え、企業文化への適応をスムーズにすることにも繋がります。

情報収集の手段

効果的な情報収集を行うためには、複数の手段を組み合わせることが重要です。以下に、代表的な情報収集手段とその活用方法をまとめました。

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情報収集手段メリットデメリット活用方法
企業ホームページ企業理念や事業内容、サービス内容、ニュースリリースなど、公式情報を確認できる企業側が発信する情報のため、良い面が強調されている可能性がある企業の全体像を把握するために活用する。IR情報なども確認することで、経営状況を客観的に判断する材料となる
転職サイト/転職エージェント求人情報だけでなく、企業の口コミや評判、年収データなどをまとめて確認できる。エージェントは非公開求人を紹介してくれる場合もある転職サイトの情報は必ずしも正確とは限らない。エージェントは企業側から報酬を受け取っているため、客観的な情報提供が難しい場合もある複数の転職サイトやエージェントを活用し、情報を比較検討することが重要。エージェントには自分の希望やキャリアプランを明確に伝え、適切なアドバイスを受ける
口コミサイト(OpenWorkなど)実際に働いている社員や元社員の生の声を聞けるため、企業の実態をより深く理解できる投稿者の主観的な意見が含まれているため、情報を取捨選択する必要がある。ネガティブな情報が目立ちやすい傾向もある良い点だけでなく、悪い点も確認することで、企業の全体像を把握する。口コミの内容が事実かどうか、他の情報源と照らし合わせることも大切
SNS(XFacebookなど)企業の公式アカウントや社員の投稿から、企業文化や雰囲気を感じ取ることができる公式アカウントは企業の良い面を強調する傾向がある。社員の投稿は個人的な意見であるため、客観性に欠ける場合もある企業の活動内容や社員の雰囲気を知るための参考にする。ただし、情報源としては補助的な役割に留める
カジュアル面談企業の担当者と直接話すことで、より具体的な情報を得ることができる。社風や働く環境なども肌で感じることができる時間と手間がかかる。面談での印象が必ずしも企業の実態を反映しているとは限らない事前に質問事項を準備し、疑問点を解消する。面談を通して、企業との相性を確認することも重要

情報収集のポイント

・多角的な視点を持つ
・疑問は遠慮せずカジュアル面談でぶつける
・自分の価値観と照らし合わせる

多角的な視点を持つ

一つの情報源に頼るのではなく、複数の情報源から情報を集めることで、より客観的な判断ができます。

公式情報だけでなく、口コミサイトやSNSなども活用しましょう。 

例えば、匿名のSNSや口コミサイトはネガティブな口コミが集まりやすいため注意が必要です。

口コミを残す人の中には、ミスマッチゆえに強いネガティブ感情を抱え、それを書き連ねるような人もいるためです。

実際の社員の発言なども収集し、全体として整合性があるかを見ていく必要があります。

疑問は遠慮せずカジュアル面談でぶつける

情報収集を進める中で、疑問点が出てきたらメモしておき、カジュアル面談などで質問するようにしましょう。

疑問点を解消することで、入社後のミスマッチを防ぐことができます。

自分の価値観と照らし合わせる

集めた情報を自分の価値観やキャリアプランと照らし合わせ、本当にその企業で活躍できるのか、成長できるのかをじっくり考えてみましょう。

徹底した情報収集は、後悔のない転職を実現するための第一歩です。

時間をかけて、様々な角度から企業を調べ、自分に合った企業を見つけるようにしましょう。

ベンチャー・スタートアップ転職についてよくある質問

Q.ITベンチャーがやめとけと言われる理由は?

A. ITベンチャーといっても、今すぐに潰れそうな企業から皆に名前を知られているメガベンチャーまで様々なフェーズがあり、商材もWEB広告や人材から最先端のAIまで様々です。

そのため、「ITベンチャー」という大雑把な粒度で転職先を選ぶと、ミスマッチなどの転職リスクが高まるためだと考えられます。

「IT」「ベンチャー」に惹かれることは自然なことですが、なぜその企業を選ぶのかはしっかりと考えましょう。

Q.20代、30代、40代のスタートアップ・ベンチャー転職は全く別物?

A. 体力や精神力などは年代によるところが大きいですが、それ以外ではベンチャーで年代で分ける理由はありません。どちらかというと家族計画や現在の年収(大きくダウンしないか)によって、慎重にならざるを得ないというのが実情でしょう。

いずれにせよ、若いうちの挑戦の方が失敗しても立ち返りやすいという特徴もあるので、早めの行動が重要です。詳しくは「ベンチャー転職のリスクとは?年代別のリスクと対策について解説」をご覧ください。

Q.SaaS転職はやめといた方がいい?

A. 基本的には将来性も高く、おすすめです。

(「SaaS企業に将来性はある?伸びる企業を選ぶためのポイントを解説!」をご覧ください。)最近は4-5年前から始まった日本でのSaaSブームが落ち着いているため、SaaS企業に入社できれば自動的に年収が上がる、といったことはありません。

あくまで自分のキャリアを戦略的に考える必要がるため、日々ゆっくり働きたい方や横並びで安全に成長したい方にとって居心地が悪い可能性があります。

Q.人材系ベンチャーとは?

既存の人材紹介会社や転職サイトでは解決できない課題を解くために、人材関連事業を展開しているベンチャー企業のことです。何かしらのセグメントに絞った人材紹介事業や、HR-techなどを展開している企業が多いです。

前述の通り展開している商材は様々なため、自分のキャリアやこれまでの経験を踏まえて、しっかりとキャリアアップできているのかを考えて転職することが重要です。

まとめ:スタートアップ・ベンチャーへの転職には向き不向きがあるが、その後のキャリアは明るい

スタートアップ・ベンチャーへの転職は、年収ダウンや経営の不安定さ、ワークライフバランスの難しさといったリスクがある一方で、裁量の大きさやキャリアアップのスピード、仕事の幅広さといった魅力も併せ持ちます。そのため、転職の際は慎重に検討する必要があります。向き不向きがあると言えるでしょう。

後悔しない転職をするためには、事前の情報収集が欠かせません。自分の経験が活かせるか、企業文化は自分に合っているか、といった点をしっかり見極めることが重要です。カジュアル面談や口コミサイトを活用したり、社員インタビューを読んだり、実際に社員に会って話を聞くことで、企業の実態を把握できます。転職エージェントに相談するのも有効な手段です。

Aさんは顧客満足度を重視する企業でキャリアアップを実現し、Bさんは営業経験を活かしてスタートアップで活躍、Cさんは大手IT企業からスタートアップのDXコンサルタントに転身しました。彼らのように、スタートアップ・ベンチャーへの転職でキャリアアップを実現する人は少なくありません。しっかり準備をし、自分に合った企業を選べば、その後のキャリアは明るいと言えるでしょう。

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スタートアップ・ベンチャー企業への転職支援や、キャリアコンサルティングの実務経験を持つ専門家チーム。新規事業立ち上げや、成長企業でのキャリア構築に関する取材・研究を重ね、実践的な知見を蓄積。転職市場の最新動向から、実践的なキャリア戦略まで、幅広い情報を発信しています。

特に、事業成長のためのタレント採用や、ベンチャー企業特有の組織課題、スタートアップでの活躍に必要なスキル開発など、成長産業でのキャリア構築に関する情報提供には定評があります。

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