近年、「ストックオプション(SO)」という言葉を耳にすることがあるのではないでしょうか?元々はスタートアップの一部の人間にしか聞き覚えのない言葉だったかと思いますが、直近ではスタートアップ・ベンチャーへの転職も増加傾向であり、転職の際に耳にすることも増えてきているようです。
一見魅力的にしか見えないストックオプションですが、その仕組みやメリット・デメリットを正しく理解していないと、思わぬ落とし穴にハマってしまう可能性も。
この記事では、ストックオプションの仕組みから種類、メリット・デメリット、そして転職活動における注意点までを0から丁寧に解説します。ストックオプションとは何か、権利行使や売却はどうするのか、通常型・株式報酬型・有償型の違いは?といった基本的な疑問はもちろん、ベンチャー企業がストックオプションを導入する理由や、提示された際に確認すべきポイントまで網羅的に解説。
この記事を読めば、ストックオプションを正しく理解し、転職における判断材料として活用できるようになります。
ストックオプションとは
ストックオプション(Stock Option = SOとよく略されます)とは、従業員に対し、自社の株式をあらかじめ定めた価格で購入できる権利を付与する制度です。
将来、会社の業績が向上し、株価が上昇した時に、あらかじめ決められている価格とその時の株価の差額が、利益となります。優秀な人材の確保や従業員のモチベーション向上を目的に導入されることが多い報酬制度で、近年では、スタートアップやベンチャー企業を中心に導入が進んできました。
この章ではストックオプションについての基本的な知識について下記のように解説します。
ストックオプションの仕組み
ストックオプションの仕組みは、大きく分けて「権利付与」「権利行使」「株式の売却」の3つの段階に分かれています。
権利付与
会社が従業員に対して、将来、自社の株式を一定数、あらかじめ定められた価格で購入できる権利を付与します。この権利のことを「新株予約権」と呼びます。
付与される権利の数や価格は、従業員の職位や貢献度などに応じて決定されます。またパターンとして多いのは、早くに入社した人間にもストックオプションが多めに付与されている形です。
基本的には、権利を行使できるようになるまでの期間(権利行使期間)も定められます。権利付与を受けただけでは、まだ株式を所有しているわけではありません。
権利行使
あらかじめ定められた権利行使期間中であればいつでも、従業員は付与された権利を行使し、株式を取得することができます。
後に記述する株式報酬型ストックオプションでない場合には、権利付与時に定められた価格である権利行使価格分を支払い、株式の取得が可能になります。
株式の売却
権利行使によって取得した株式は、証券取引所で売却することができます。株式を売却することで、売却価格と権利行使価格の差額が利益となります。ただし、未上場企業の場合は、売却できる機会が限られています。
ストックオプションの3つの種類
ストックオプションには、主に以下の3つの種類があります。
種類 | 内容 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
通常型ストックオプション | 権利行使価格で株式を取得する権利 | 一般的なタイプで理解しやすい | 権利行使価格を支払う必要がある |
株式報酬型ストックオプション | 無償で株式を取得する権利 | 権利行使価格を支払う必要がない | 給与扱いになるので税負担が大きくなる可能性がある |
有償ストックオプション | 権利行使価格で株式を取得する権利(権利付与時に一部の対価を支払う) | 権利行使価格が低く設定されることが多い | 権利付与時に対価を支払う必要がある |
ストックオプションと新株予約権の違い
ストックオプションと新株予約権は混同されやすいですが、厳密には異なります。ストックオプションは、従業員に対するインセンティブ制度であり、新株予約権はその権利の名称です。
つまり、ストックオプション制度において付与される権利が新株予約権です。
新株予約権は、会社法で定義されており、株主総会での決議が必要となるなど、厳格なルールが定められています。一方、ストックオプションは、会社が独自に定めることができるため、会社ごとの付与条件などがフレキシブルに定められている場合があります。
ストックオプションの導入率
ストックオプション | |
---|---|
全社 | 29.3% |
プライム | 23.5% |
スタンダード | 20.2% |
グロース | 79.7% |
JPX日経400 | 22.1% |
東京証券取引所が作成している「コーポレート・ガバナンス白書 2023」によると、東証上場会社に登録されている企業のうち29.3%がストックオプションを導入しており、全体の1/3ほどがこうした制度設計について取り組んでいるようです。
特に、スタートアップ企業・ベンチャー企業が上場をするグロース市場の企業においては全体の約8割がストックオプション制度を採用しており、すでに一般的にとなっていることがわかります。
なぜベンチャー企業がストックオプションを導入しているか?
近年ストックオプションを耳にする機会が増えたのも、ベンチャー企業やスタートアップ企業が積極的に制度を取り入れるようになったからです。
ではなぜ、そのような企業にとってストックオプション制度の設計が魅力的なのでしょうか?このセクションではストックオプション制度を設計する企業側の意図を解説します。
資本競争力がない中でも優秀な人材を確保するため
資本力のある大企業と比べて、ベンチャー企業は給与や福利厚生などの待遇面で劣ることがあります。
しかし、これから成長していかなくてはならないスタートアップ企業にとって優秀な人材の確保はマストであり、資本力がない中でも人材にアピールする必要があります。
そこで、ストックオプションを提示することで、将来的な経済的利益の魅力を提示し、優秀な人材を惹きつけようとするのです。
特に、成長意欲の高い人材や、リスクを負ってでも大きなリターンを求めるチャレンジしたい人材にとって、ストックオプションの存在は大きなインセンティブとなります。
つまりストックオプションの設計は、ベンチャー企業にとって人材を惹きつけるための大きな一手となるのです。
ボーナスの代わりとして支給できるため
ベンチャー企業やスタートアップ企業は、成長中の企業なので調達した資金や売上をさらなる投資に回します。なので基本的にはキャッシュは少ない状態にあります。
ストックオプションは、キャッシュアウトを伴わずに人材に報酬を与えることができるため、ボーナスの代わりとして活用されることもあります。
ストックオプションを将来的な報酬をボーナスとして従業員に渡すことで、実際のキャッシュは事業投資に使用できるため、ストックオプションは、ベンチャー企業にとって非常に効率的な報酬制度と言えるでしょう。
会社の成長と従業員の資産を連動させるため
ストックオプションは、会社の業績と従業員の報酬を連動させる効果的な仕組みです。
会社が成長すればするほど、ストックオプションの価値も上昇するため、従業員は会社の成長に貢献するインセンティブを持つことができます。
「頑張れば頑張るほど自分に対するリターンが大きくなる」という状態を作り出すために、ストックオプションはもちーべション施策としても用いられることがあります。
従業員は、株主と同じように会社の成長に責任を持つようになり、より主体的に業務に取り組むことが期待できます。このため、ストックオプションは、従業員のモチベーション向上と企業の成長を促進する上で重要な役割を果たします。
人材の流出を防止するため
優秀な人材の確保は、ベンチャー企業にとって常に重要な課題です。
ストックオプションは、従業員に権利行使までの期間、会社に在籍するインセンティブを与えるため、人材の流出防止に役立ちます。
特に、成長段階にあるベンチャー企業では、優秀な人材の流出は大きな痛手となります。ストックオプションは、従業員の定着率を高め、長期的な成長を支える上で重要な役割を果たします。また、ストックオプションを付与することで、従業員は会社への帰属意識を高め、より一層貢献意欲を持つようになることが期待できます。
メリット | 説明 |
---|---|
優秀な人材の確保 | 魅力的な報酬体系で優秀な人材を惹きつける |
資金調達効果 | キャッシュアウトを抑えつつ人材に報酬を付与 |
モチベーション向上 | 会社の成長と従業員の利益を連動 |
人材流出防止 | 権利行使までの在籍を促進 |
これらのメリットを理解することで、ベンチャー企業がなぜストックオプションを導入するのかを深く理解することができます。ストックオプションは、企業と従業員双方にとってメリットのある制度と言えるでしょう。詳しくは経済産業省のストックオプション制度に関するページをご覧ください。
ストックオプションを提案された時に確認するべきポイント
転職時の条件や在籍時の報酬として、ストックオプションを提案された際は、メリットだけでなくデメリットや注意点も理解した上で、自身にとって本当に有利な制度なのかを慎重に見極める必要があります。安易に飛びつかず、以下のポイントをしっかりと確認しましょう。
権利行使期間内でしか行使できない
ストックオプションには権利行使期間が設定されています。
この期間内に権利を行使(株式を取得する権利を使うこと)しなければ、権利は失効してしまいます。権利行使期間は会社によって異なり、数ヶ月から数年と様々です。
権利行使期間が短い場合、資金の準備期間が限られるため注意が必要です。提案を受けた際には、権利行使期間の長さと開始時期を必ず確認しましょう。
失効する場合がある
ストックオプションは、一定の条件を満たさないと失効する可能性があります。
例えば自己都合退職の場合、多くの企業でストックオプションは失効となります。また、会社が倒産した場合も、ストックオプションもはや紙切れ同然の価値となってしまう場合もあります。
その他、業績不振による権利行使価格の変更や、権利行使の制限なども起こり得ます。
行使と売却のタイミングは異なる
ストックオプションの権利行使と株式の売却は別の手続きです。
権利を行使して株式を取得したとしても、すぐに売却できるとは限りません。未上場企業の場合、株式市場で売却することはできません。会社が上場するか、会社が自社株買いを行うなどの機会を待つ必要があります。
また、上場企業であっても、インサイダー取引規制などにより、売却できる時期が制限される場合があります。権利行使から売却までの期間や売却方法についても事前に確認しておくことが重要です。
権利行使価格と現在の株価、将来の株価変動リスク
ストックオプションの価値は、権利行使価格と株式の市場価格(時価)の差額で決まります。
権利行使価格よりも市場価格が高ければ利益が出ますが、低ければ損失となります。将来の株価は予測できないため、必ずしも利益が出るとは限りません。
また、権利行使価格自体も変動する可能性があります。
税金について
ストックオプションを行使して株式を取得した場合は、所得税が発生します。
また、株式を売却して利益が出た場合は、譲渡所得税の課税対象となります。これらの税金は、給与とは別に支払う必要があるため、事前に税負担についても理解しておくことが大切です。。
項目 | 内容 |
---|---|
権利行使期間 | 権利を行使できる期間。この期間を過ぎると権利は失効します。 |
権利行使価格 | 株式を取得できる価格。 |
失効条件 | 自己都合退職や会社倒産など、権利が失効する条件。 |
売却方法 | 株式を売却する方法。上場企業の場合は株式市場で売却できますが、未上場企業の場合は売却方法が限られます。 |
税金 | 権利行使時や売却時に発生する税金。所得税や譲渡所得税など。 |
これらのポイントをしっかりと確認し、自身のキャリアプランやリスク許容度と照らし合わせて、ストックオプションを受け入れるかどうかを判断しましょう。疑問点があれば、人事担当者や専門家に相談することも重要です。
ストックオプションのある企業に転職するメリット
ストックオプションを持つ企業に転職する主なメリットは以下の通りです。
会社を成長させるモチベーションが維持できる
ストックオプションは、会社の業績向上と株価上昇によって大きなリターンを得られる可能性があるため、従業員は会社を成長させるための強いモチベーションを持つことができます。
自分の仕事が会社の成長に直接的に貢献し、その成果が自分の報酬に反映されるため、より積極的に業務に取り組むようになるでしょう。また、経営陣と同じ視点で会社経営を考えるようになるため、責任感も高まります。
売却益による大きなリターンが見込める
ストックオプションの最大のメリットは、将来的に株式を売却することで大きなリターンを得られる可能性があることです。
特に、IPO(新規株式公開)を実現した企業のストックオプションは、大きな利益をもたらす可能性が高くなります。
初期段階のベンチャー企業に参画し、IPOに成功した場合、数千万、億円単位の利益を得るケースも珍しくありません。これは、通常の給与所得だけでは得られない大きなリターンです。
実際に日本のユニコーン企業であるメルカリでは上場時に6億円以上の資産を得た従業員が35名と、多くのリターン獲得者を産んでいます。
企業の成長に貢献できる実感を得られる
ストックオプションを持つことで、単なる従業員ではなく、会社のオーナーの一員としての意識を持つことができます。
自分の仕事が会社の成長に直接的に繋がり、その成果が自分の報酬に反映されるため、より大きな責任感とやりがいを感じることができるでしょう。会社の未来を自分事として捉え、積極的に貢献しようという意欲が高まります。
早期退職も視野に入れられる
ストックオプションを行使して得た売却益が大きければ、早期退職を実現できる可能性も出てきます。
FIRE(Financial Independence, Retire Early)を目指す人にとっても、ストックオプションは魅力的な選択肢となるでしょう。
もちろん、会社の成長や株価の上昇は保証されたものではありませんが、大きなリターンを得る可能性があることは、将来の選択肢を広げることに繋がります。
優秀な人材と働ける
ストックオプション制度を導入している企業は、優秀な人材を惹きつける傾向があります。
高い目標に挑戦し、会社を成長させたいという意欲を持った人材が集まりやすい環境と言えるでしょう。優秀な同僚と共に切磋琢磨することで、自身のスキルアップにも繋がり、キャリアアップの大きなチャンスとなります。
メリット | 詳細 |
---|---|
モチベーション向上 | 会社の成長と自身の報酬が連動するため、高いモチベーションを維持できる |
大きなリターン | 株式売却益によって、通常の給与所得以上のリターンを得られる可能性がある |
貢献実感 | オーナーシップ意識を持ち、企業の成長に貢献している実感を得られる |
早期退職の可能性 | 売却益によっては、早期退職も視野に入れられる |
優秀な人材との協働 | ストックオプション制度は優秀な人材を惹きつけ、共に働く機会を増やす |
ただし、これらのメリットはあくまで可能性であり、必ずしも実現するとは限りません。ストックオプションは、企業の業績や株価の変動に大きく左右されるため、リスクも伴います。転職活動においては、ストックオプションのみに囚われず、会社の将来性や自身のキャリアプランなどを総合的に判断することが重要です。
ストックオプションのある企業に転職するデメリット
ストックオプションは魅力的な制度ですが、転職する際にはデメリットも理解しておく必要があります。安易な判断は後悔に繋がる可能性があるので、慎重に検討しましょう。
年収が下がる場合がある
ストックオプションの魅力に目が行きがちですが、ベンチャー企業の場合、大企業と比較すると年収が下がる可能性があります。
ストックオプションはあくまで将来的なインセンティブであり、現在の生活水準を維持できるだけの給与が保証されているとは限りません。転職活動中は目先の年収だけでなく、長期的な視点で収入を検討する必要があります。
上場する企業の割合は0.1%
ストックオプションで大きな利益を得るためには、企業が株式公開(IPO)し、株価が上昇する必要があります。
しかし、実際に上場する企業はごくわずかです。
東京証券取引所への新規上場企業数は年間100社前後で、設立されている企業数全体から見ると0.1%程度です。ストックオプションを宝くじのようなものと考え、過度な期待は禁物です。
相当の努力量が求められる
ストックオプションが付与されるということは、会社への貢献が大きく期待されているということです。
企業の成長に繋がる成果を出さなければ、ストックオプションの価値は上がりません。長時間労働やプレッシャーに耐え、高いパフォーマンスを維持し続ける必要があります。自身のワークライフバランスを考慮し、持続可能な働き方ができるか検討しましょう。
辞めたいタイミングでも辞めづらくなる
ストックオプションには権利行使期間が設定されているため、権利を行使するまでは退職しづらいというデメリットがあります。
権利行使期間が満了する前に退職してしまうと、せっかく付与されたストックオプションを無に帰してしまう可能性があります。
転職後すぐに会社の方針と合わなかったとしても、権利行使期間までは働き続けなければならないというジレンマを抱える可能性があります。
売却後に燃え尽き症候群になる場合も
ストックオプションの売却で大きな利益を得た後、燃え尽き症候群に陥る可能性があります。
長年の努力が報われたことで、目標を見失い、モチベーションが低下してしまうケースです。特に、IPOという大きな目標達成後に、次の目標設定が難しくなり、仕事への意欲を失ってしまう場合があります。
ストックオプションの売却後の人生設計も考慮しておく必要があります。
会社都合による失効の可能性
ストックオプションは、会社都合で失効する可能性があります。
例えば、会社が倒産した場合や、M&Aによって買収された場合、ストックオプションが失効となるケースがあります。また、会社の業績が悪化した場合、ストックオプションの権利行使価格が変更される可能性もあり、期待していた利益を得られない可能性も考えられます。
メリット | デメリット |
---|---|
会社を成長させるモチベーションが維持できる | 年収は下がる場合がある |
売却益による大きなリターンが見込める | 上場する企業の割合は0.1% |
企業の成長に貢献できる実感を得られる | 相当の努力量が求められる |
早期退職も視野に入れられる | 辞めたいタイミングでも辞めづらくなる |
優秀な人材と働ける | 売却後に燃え尽き症候群になる場合も |
会社都合による失効の可能性 |
ストックオプションにはメリットとデメリットの両面があるため、しっかりと理解した上で転職活動を行うことが重要です。
ストックオプションのある企業に転職するためのポイント
ストックオプション付きのベンチャー企業への転職は、大きなリターンを得られる可能性がある一方で、リスクも伴います。
転職活動においては、徹底的な情報収集と冷静な判断が重要です。以下のポイントを参考に、自身のキャリアプランと照らし合わせながら、最適な選択をしましょう。
ストックオプション制度のある企業を探す
ストックオプション制度を導入している企業を探す方法はいくつかあります。
求人サイトを活用する
転職サイトや求人情報サイトで「ストックオプション」というキーワードで検索することで、ストックオプション制度のある企業の求人情報を探すことができます。
例えば、GreenやWantedlyなどのサイトでは、ベンチャー企業の求人が多く掲載されています。各サイトの検索機能を効果的に活用し、希望の条件に合った企業を探してみましょう。
転職エージェントに相談する
転職エージェントは、非公開求人を含め多くの求人情報を保有しており、ストックオプション制度に関する詳しい情報も提供してくれます。
転職のプロであるエージェントに相談することで、自身のキャリアプランに合った企業を紹介してもらえる可能性が高まります。
企業のウェブサイトやIR情報を確認する
興味のある企業のウェブサイトやIR情報を確認することで、ストックオプション制度の有無や内容について詳しく知ることができます。
企業によっては、ストックオプション制度に関する説明資料を公開している場合もあります。公式の情報源を確認することで、正確な情報を把握することができます。
ストックオプションに期待しすぎない
ストックオプションは、あくまで将来のインセンティブであり、必ずしも大きな利益を得られるとは限りません。
企業の業績や市場環境によっては、権利行使価格が株価を上回り、利益が出ない場合もあります。また、未上場企業の場合、株式を売却できるまでに時間がかかる可能性もあります。
ストックオプションのみに期待するのではなく、給与や福利厚生、キャリアアップの機会なども含めて総合的に判断することが重要です。
あくまで自身のキャリア課題と向き合って転職する
ストックオプションは魅力的な制度ですが、転職の目的をストックオプションのみに絞ってしまうのは危険です。
自身のキャリアプランやスキルアップ、仕事内容、企業文化との相性なども考慮し、総合的に判断することが大切です。転職は人生における大きな転換期です。将来のキャリアビジョンを明確にし、自身の成長に繋がる転職を目指しましょう。
検討項目 | 詳細 |
---|---|
企業の成長性 | 将来的な上場可能性や事業の将来性を評価する |
事業内容への共感 | 企業の理念や事業内容に共感できるか |
企業文化との適合性 | 自身の価値観や働き方と企業文化が合致するか |
仕事内容の魅力 | 自身のスキルや経験を活かせるか、やりがいを感じられるか |
給与・福利厚生 | ストックオプション以外の待遇面も確認する |
まとめ
この記事では、ベンチャー企業への転職におけるストックオプションのメリット・デメリット、そして導入の背景や確認すべきポイントについて解説しました。
ストックオプションは、将来の株式購入権であり、企業の成長に伴い大きなリターンを得られる可能性を秘めています。優秀な人材確保や社員のモチベーション向上を目的として、ベンチャー企業で多く導入されています。
しかし、ストックオプションは権利行使や売却のタイミングが限定されているなど、注意点も存在します。また、上場しない限り利益は得られず、企業の業績次第では価値がゼロになるリスクも理解しておく必要があります。
転職活動においては、ストックオプションのみに囚われず、自身のキャリアプランとの整合性を重視することが大切です。ストックオプションはあくまで成長へのモチベーションの一つとして捉え、会社の将来性や事業内容、自身のスキルアップといった要素も総合的に判断し、転職活動を進めましょう。