インサイドセールスに興味があり、キャリアパスについて知りたいと思っていませんか?この記事では、インサイドセールスのキャリアパスについて網羅的に解説します。
また、コミュニケーション能力や顧客理解力といった必須スキルに加え、データ分析力など市場価値を高めるスキルについても詳しく説明します。さらに、インサイドセールスの需要増加の背景や平均年収、採用に積極的な企業の情報も提供することで、読者のキャリア選択を多角的にサポートします。この記事を読み終える頃には、インサイドセールスという職種への理解が深まり、自身のキャリアプランを描くための具体的なイメージが掴めているはずです。
インサイドセールスとは
インサイドセールスとは、非対面で顧客とコミュニケーションを取り、営業活動を行う手法です。電話、メール、Web会議システムなどを活用し、リードナーチャリングや案件創出、商談設定、クロージングまでを行います。近年、デジタル化の進展に伴い、営業活動の効率化と生産性向上を目的として、多くの企業で導入が進んでいます。
インサイドセールスは、近年注目を集めている営業手法
従来の営業スタイルであるフィールドセールスのように、顧客を訪問する必要がないため、移動時間やコストを削減できます。また、Web会議システムなどを活用することで、遠方の顧客にもアプローチが可能となり、営業活動の範囲を拡大できます。さらに、データ分析に基づいた効率的な営業活動を実現できる点も、注目を集めている理由の一つです。
インサイドセールスとフィールドセールスの違い
インサイドセールスとフィールドセールスの主な違いは、顧客との接点の方法です。インサイドセールスは非対面での営業活動を中心とするのに対し、フィールドセールスは顧客を訪問して対面で営業活動を行います。それぞれの特徴を以下の表にまとめました。
項目 | インサイドセールス | フィールドセールス |
---|---|---|
顧客との接点 | 非対面(電話、メール、Web会議など) | 対面(訪問) |
移動時間 | 少ない | 多い |
コスト | 低い | 高い |
営業範囲 | 広い | 狭い |
役割 | リードナーチャリング、案件創出、商談設定、クロージングなど | 商談、クロージング、関係構築など |
近年では、インサイドセールスとフィールドセールスを組み合わせたハイブリッド型の営業スタイルを採用する企業も増えています。例えば、インサイドセールスがアポイントを獲得し、フィールドセールスが商談やクロージングを行うといった連携によって、より効率的な営業活動を実現しています。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
インサイドセールスの業務内容
インサイドセールスの業務内容は、企業や組織によって異なりますが、一般的には以下の業務が含まれます。
- リードナーチャリング:見込み顧客に対して継続的にコミュニケーションを取り、購買意欲を高める活動。。メールマガジン配信、セミナー開催、Webコンテンツ提供などを通じて、顧客との関係を構築します。
- 確度の高いリードの見極め:Webサイトや問い合わせフォーム、展示会などから獲得したリード情報に基づき、有望な顧客を特定し、営業活動の対象となるリードを見極めます。
- 商談の獲得:創出した案件に対して電話やメールでアプローチし、商談の機会を設定します。顧客のニーズや課題をヒアリングし、最適なソリューションを提案するための準備を行います。
- クロージング担当への引き継ぎ:商談を担当するフィールドセールスへ顧客の引き継ぎを行い、成約に導きます。契約条件の交渉や締結、アフターフォローなども担当する場合があります。
インサイドセールスの目的、KPI
インサイドセールスの主な目的は、営業活動の効率化と生産性向上です。具体的には、以下のKPIを設定し、目標達成を目指します。
- リード獲得数
- 商談設定率
- 受注率
- 売上高
- 顧客単価
これらのKPIを適切に設定し、PDCAサイクルを回すことで、継続的な改善と成果の最大化を図ります。詳しくはインサイドセールスのKPI設定方法|目標達成のためのKPI設計と成功事例 | ベルフェイスをご覧ください。
インサイドセールスへのキャリアチェンジが増加している
近年、インサイドセールスへのキャリアチェンジが増加傾向にあります。その背景には、働き方の変化や企業の営業戦略の転換、そしてインサイドセールスという職種の魅力向上といった複数の要因が絡み合っています。従来の営業スタイルであるフィールドセールスと比較して、インサイドセールスは場所や時間にとらわれずに働ける柔軟性があり、ワークライフバランスを重視する現代の労働環境において、大きなメリットとして認識されています。また、企業側にとっても、移動コストの削減や効率的な営業活動の実現といったメリットがあり、インサイドセールスへの投資を積極的に行う企業が増えています。これらの要因が相まって、インサイドセールスはますます注目を集め、キャリアチェンジ先として人気が高まっているのです。
キャリアチェンジの背景にある「働き方の変化」
新型コロナウイルスの感染拡大を契機に、多くの企業でリモートワークが導入され、働き方の多様化が進みました。この変化は、オフィスへの出社を前提とした従来型の営業スタイルの見直しを促し、場所を選ばずに働けるインサイドセールスの需要を押し上げました。また、ワークライフバランスを重視する人が増えたことで、柔軟な働き方が可能なインサイドセールスは、キャリアチェンジ先として魅力的な選択肢となっています。時間や場所にとらわれずに働けるという点は、子育て中の方や介護をされている方など、様々なライフステージにある人にとって大きなメリットです。
企業の営業戦略の変化とインサイドセールスの需要増加
近年、企業の営業戦略においてもデジタル化が進み、オンライン商談やメール、電話などを活用した営業活動の重要性が高まっています。こうしたデジタルツールを活用した営業活動は、まさにインサイドセールスの得意とするところであり、企業はインサイドセールス部門の強化や新規立ち上げに注力しています。そのため、インサイドセールスの求人数は増加傾向にあり、キャリアチェンジの機会も拡大しています。特に、BtoB SaaS企業などでは、リードナーチャリングや顧客獲得においてインサイドセールスの役割が重要視されており、今後の需要増加も見込まれます。
インサイドセールスという職種の魅力
インサイドセールスは、顧客との関係構築を通じてビジネスを成長させる、やりがいのある仕事です。コミュニケーション能力や顧客理解力、分析力など、ビジネスパーソンとして必須のスキルを身につけることができるため、自身のキャリアアップにも繋がります。また、成果が数字として可視化されやすい点も、モチベーション維持に繋がり、仕事へのやりがいを高める要素となっています。さらに、企業によっては、インセンティブ制度を導入している場合もあり、成果次第で高収入を得られる可能性も秘めています。
他業種からのキャリアチェンジ事例
前職 | インサイドセールスへのキャリアチェンジ理由 | 現在の状況 |
---|---|---|
接客業 | 顧客とのコミュニケーションスキルを活かしたい、より安定した収入を得たい | 顧客対応力が高く評価され、チームリーダーに昇格 |
営業職(フィールドセールス) | ワークライフバランスを重視したい、デジタルツールを活用した営業に挑戦したい | 効率的な営業活動を実現し、高い成果を上げている |
マーケティング担当 | 顧客理解を深め、より実践的な営業スキルを身につけたい | マーケティングの知識を活かし、効果的な営業戦略を立案 |
上記はあくまで一例ですが、このように様々なバックグラウンドを持つ人々がインサイドセールスにキャリアチェンジし、活躍しています。未経験からでも挑戦できる求人も多く、研修制度が充実している企業も増えているため、他業種からのキャリアチェンジを考えている人にとって、インサイドセールスは現実的な選択肢と言えるでしょう。
インサイドセールスの将来性
インサイドセールスは、近年注目を集めている営業手法であり、その将来性は非常に明るいと言えるでしょう。効率性、需要、多様な働き方といった観点から、今後のキャリアを考える上で重要な選択肢となるでしょう。
効率良く営業PDCAが回せるので需要が高い
インサイドセールスは、電話やメール、Web会議システムなどを活用することで、移動時間やコストを削減し、効率的に営業活動を行うことができます。そのため、限られたリソースで最大限の効果を発揮したい企業にとって非常に魅力的な手法となっています。営業活動の効率化は多くの企業の課題であり、この点を解決できるインサイドセールスの需要はますます高まっています。特に、リードナーチャリングや顧客育成といった、中長期的な視点で顧客と関係構築を行う上でも、インサイドセールスは重要な役割を果たします。例えば、MAツールやCRMツールと連携することで、顧客の行動履歴や属性に基づいたパーソナライズされたアプローチが可能となり、成約率の向上に繋がります。 インサイドセールスとは?メリット・デメリット、フィールドセールスとの違いを解説|Salesforce
特にスタートアップやベンチャーでの需要が伸びていて、今後も盤石
スタートアップやベンチャー企業は、限られたリソースで事業を成長させる必要があります。インサイドセールスは、低コストで効率的に顧客を獲得できるため、これらの企業にとって非常に有効な手段となります。また、事業の成長スピードに合わせて柔軟にチーム規模を調整できる点も、スタートアップやベンチャー企業にとって大きなメリットです。さらに、リモートワークとの相性が良いため、優秀な人材を全国から採用できる可能性も広がります。 インサイドセールスとは?種類やメリット・デメリット、導入プロセスを解説|BowNow
多様な働き方も可能
インサイドセールスは、場所や時間に縛られずに働くことができるため、多様な働き方を実現することができます。リモートワークやフレックスタイム制を導入している企業も増えており、ワークライフバランスを重視する人にとって魅力的な選択肢となっています。また、副業や兼業としても取り組みやすい職種であり、自身のスキルや経験を活かしてキャリアアップを目指すことも可能です。
働き方 | メリット |
---|---|
リモートワーク | 通勤時間やコストの削減、地方在住者も就業可能 |
フレックスタイム制 | ライフスタイルに合わせた柔軟な働き方が可能 |
副業・兼業 | スキルアップや収入増加の機会 |
インサイドセールスのキャリアパス
インサイドセールスで経験を積んだ後には、どのようなキャリアパスが考えられるのでしょうか。営業としての専門性を高める道、マネジメントスキルを磨く道、あるいは他部署へのキャリアチェンジなど、多様な選択肢があります。ここでは、代表的なキャリアパスを具体例を交えて紹介します。
インサイドセールスチームのマネジメントへ
インサイドセールスチームのリーダーやマネージャーへと昇進するキャリアパスです。チーム全体の目標達成に向けて、メンバーの育成、モチベーション管理、戦略立案、KPI設定・分析などを行います。マネジメント経験を積むことで、組織運営や人材育成のスキルを身につけることができます。例えば、メンバーの強みを活かした役割分担をしたり、効果的な育成プランを作成・実行したりすることで、チーム全体の生産性向上に貢献します。また、市場動向や競合他社の分析に基づいて、チームの戦略を最適化していくことも重要な役割となります。このキャリアパスは、リーダーシップを発揮したい人、チームをまとめるのが得意な人に向いています。
スペシャリストとして独立し、さまざまな企業を支援
インサイドセールスの専門知識やスキルを活かして、フリーランスやコンサルタントとして独立する道も考えられます。複数の企業のインサイドセールス部門の立ち上げや業務改善、コンサルティングなどを請け負うことで、多様な業界の知見を広げ、市場価値を高めることができます。例えば、営業プロセスの構築、KPI設定、ツールの導入支援、人材育成など、幅広い業務を担うことが可能です。独立することで、自分の裁量で仕事を進められる自由度の高さを享受できる一方、自己管理能力や営業力も求められます。このキャリアパスは、独立心旺盛な人、自分の専門性を活かして活躍したい人に向いています。
インサイドセールスの経験を活かしてフィールドセールスへ
インサイドセールスで培った顧客理解やコミュニケーションスキルを活かして、フィールドセールス(外勤営業)に転身するキャリアパスです。インサイドセールスで獲得したリード顧客に対して、より深い関係性を構築し、大型案件の受注を目指すことができます。また、顧客との直接的な対話を通じて、市場ニーズや競合情報を収集し、営業戦略に反映させることも期待されます。このキャリアパスは、顧客との関係構築を重視する人、コミュニケーション能力に自信のある人に向いています。
培った顧客理解力と対応力でマーケターへ
顧客とのコミュニケーションを通じて得られた知見やデータを活かして、マーケティング部門へ異動するキャリアパスです。顧客のニーズや行動を深く理解しているため、効果的なマーケティング戦略の立案や実行に貢献できます。例えば、顧客セグメントに応じた適切なコンテンツ作成や、ウェブサイトの改善、広告運用などを担当することができます。このキャリアパスは、分析力や企画力に自信のある人、マーケティングに興味がある人に向いています。
顧客対応力でカスタマーサクセスへ
顧客との良好な関係構築スキルを活かして、カスタマーサクセス部門へ転身するキャリアパスです。顧客の課題解決を支援し、製品やサービスの価値を最大限に引き出すことで、顧客の成功に貢献します。インサイドセールスで培った顧客理解やコミュニケーションスキルは、カスタマーサクセスにおいても大いに役立ちます。このキャリアパスは、顧客の成功に喜びを感じられる人、ホスピタリティ精神が旺盛な人に向いています。
キャリアパス | 身につくスキル | 向いている人 |
---|---|---|
インサイドセールスチームのマネジメント | リーダーシップ、マネジメントスキル、人材育成スキル、戦略立案スキル | リーダーシップを発揮したい人、チームをまとめるのが得意な人 |
スペシャリストとして独立 | コンサルティングスキル、事業戦略立案スキル、自己管理能力、営業力 | 独立心旺盛な人、自分の専門性を活かして活躍したい人 |
フィールドセールス | 交渉力、プレゼンテーションスキル、関係構築スキル | 顧客との関係構築を重視する人、コミュニケーション能力に自信のある人 |
マーケター | マーケティング戦略立案スキル、データ分析スキル、コンテンツ作成スキル | 分析力や企画力に自信のある人、マーケティングに興味がある人 |
カスタマーサクセス | 顧客対応力、課題解決能力、関係構築スキル、コンサルティングスキル | 顧客の成功に喜びを感じられる人、ホスピタリティ精神が旺盛な人 |
上記以外にも、事業企画や経営企画など、営業経験を活かせるキャリアパスは多岐に渡ります。自身の強みや興味関心に基づいて、最適なキャリアパスを選択することが重要です。
インサイドセールスで身につくスキル・能力
インサイドセールスは、多様なスキルを磨ける職種です。顧客と直接コミュニケーションを取りながら、ビジネスの最前線で活躍することで、市場価値の高い人材へと成長できます。具体的にどのようなスキルが身につくのか、詳しく見ていきましょう。
コミュニケーションスキル
インサイドセールスでは、電話やメール、オンライン商談ツールなどを通じて、顧客と日々コミュニケーションを取ります。そのため、相手に合わせた適切な言葉遣いや表現力、傾聴力、質問力、そして相手のニーズを的確に捉える力が自然と身につきます。オンラインでのコミュニケーションでは、表情や声のトーン、話すスピードなど、非言語コミュニケーションにも気を配る必要があり、やり取りも短時間で終わるものが多く、より高度なコミュニケーションスキルが求められます。
顧客理解・ヒアリングスキル
顧客の課題やニーズを短時間で正しく理解し、適切な提案を行うことは、インサイドセールスにおいて非常に重要です。効果的なヒアリングを通して、顧客が抱える課題の本質を見抜き、最適なソリューションを提案することで、成約率を高めることができます。顧客との信頼関係を構築するためには、顧客の発言を正しく理解し、その背景を汲み取るという力も必要不可欠です。
信頼獲得スキル
顧客から信頼を得ることは、インサイドセールス成功の鍵です。商品やサービスの知識だけでなく、誠実な対応や顧客目線での提案を通して、顧客との信頼関係を構築する力は、もはや一つのスキルと言えるでしょう。顧客の立場に立って考え、親身になって相談に乗ることで、顧客から得られる情報も増えていきます。
情報収集・処理スキル
市場動向や競合他社の情報、顧客の属性データなど、インサイドセールスには様々な情報を収集し、分析する能力が求められます。これらの情報を適切に処理し、営業活動に活かすことで、効率的に成果を上げることができます。WebサイトやSNS、業界ニュースサイトなどを活用し、業界のトレンドや顧客と顧客の競合の動き、他に取り入れられているツールやソリューションなど、常に最新の情報にアンテナを張ることが重要です。
仮説検証スキル
インサイドセールスは、短時間でたくさんの顧客を相手にするため、仮説検証が回しやすい仕事です。そのような環境の中で、顧客へのアプローチ方法や提案内容など、様々な仮説を立て、検証していく能力はマストと言えるでしょう。PDCAサイクルを回し、データに基づいて改善策を講じることで、より効果的な営業活動を実現できます。
データ分析スキル
顧客データや営業プロセスごとの歩留まりのデータなどを分析し、課題や改善点を発見する能力は、インサイドセールスの成果に直結します。顧客の属性や行動履歴、商談データの分析を通して、営業活動の効率化を図ることができるはずです。例えば
- 担当者につながりやすい架電の時間帯・通話時間・スクリプトの検証
- 担当者ごとのKPIの偏りから、スクリプトや業界ごとのKPIの差分とその原因を見つける
などといったアプローチができるようになると、市場価値が高いと言えるでしょう。
対応力・柔軟性
顧客の状況やニーズは常に変化するため、臨機応変な対応が求められます。時には手厳しい言葉をかけられることもあるかもしれませんが、その裏側にある真意に気づき切り返せると、一気に商談確度が高まったりするケースも多いです。顧客の言いなりになるのではなく、プロとして提案をしていく姿勢、なんとか顧客の問題を解決しようとする柔軟性、対応力が身につけられると、他職種でも需要が高い人材となれるでしょう。
効率化スキル
基本的にインサイドセールスの仕事はマルチタスクで、短時間での成果を求められる場合が多いです。そのためには、限られた時間の中で最大限の成果を上げられるよう、業務を効率化するスキルが不可欠です。スプレッドシートの関数を覚える、といった簡単なものからSFAやCRMなどのツールの活用や、業務フローの改善まで、業務生産性を向上させる経験を積むことができます。こちらもやはり職種や業種を選ばないスキルといえます。
インサイドセールスでは広範なスキルが身につく
インサイドセールスはさまざまな部門と連携して取り組む仕事です。それゆえ、ここまで出てきたスキルをまとめ直すとセールスからマーケティング、ITに至るまで汎用かつ広範なスキルが身につくことがわかります。
スキル | 具体的な内容 |
---|---|
営業スキル | ニーズの把握、課題解決提案、クロージング、商談設定 |
ITスキル | SFA/CRM活用、データ分析ツール活用、Web会議システム活用 |
マーケティングスキル | リードナーチャリング、ターゲティング、市場分析 |
プロジェクトマネジメントスキル | 目標設定、スケジュール管理、タスク管理、進捗管理 |
インサイドセールスで経験を積むことで、ビジネスパーソンとして大きく成長できるでしょう。
インサイドセールスはどんな人が向いているか
インサイドセールスは、特別なスキルや経験がなくてもチャレンジできる職種ですが、特定のスキルや経験、パーソナリティを持つ人はより活躍しやすい傾向があります。具体的には、以下のようなタイプの人に向いていると言えるでしょう。
セールス経験者
法人営業、個人営業、代理店営業など、営業経験はインサイドセールスにおいて大きな強みとなります。顧客とのコミュニケーション、ニーズの把握、クロージングスキルなど、営業活動に必要なスキルはインサイドセールスにも応用可能です。特に、電話やメール、オンライン商談ツールなどを用いた営業経験があれば、スムーズに業務を習得できるでしょう。例えば、新規開拓営業の経験者は、リード獲得やアポイント設定といった業務に活かすことができますし、ルートセールスの経験者は、既存顧客との関係構築やアップセル・クロスセルに活かすことができます。
接客経験者
接客経験もインサイドセールスで役立ちます。飲食店、アパレルショップ、ホテルなど、お客様と直接コミュニケーションを取る接客業での経験は、顧客対応力やコミュニケーションスキル向上に繋がります。顧客のニーズを汲み取り、適切な対応をする能力は、インサイドセールスにおいても重要です。顧客の言葉の奥にある真のニーズを理解し、最適な提案を行うことで、成約率向上に貢献できるでしょう。また、クレーム対応経験も、顧客との信頼関係構築に役立ちます。
カスタマーサクセス経験者
カスタマーサクセス経験者は、顧客との長期的な関係構築に重点を置くため、顧客理解、共感力、コミュニケーション能力に長けています。これらのスキルは、インサイドセールスにおいても顧客との信頼関係を築き、商談につなげる上で非常に重要です。また、カスタマーサクセスの業務で得た顧客ニーズや課題に関する深い理解は、インサイドセールスでの提案内容をより顧客に寄り添ったものにするために役立ちます。さらに、カスタマーサクセス経験者は、顧客の成功を第一に考えるマインドセットを持っているため、顧客満足度向上にも貢献できます。
インサイドセールスに向いている人の特徴
特徴 | 説明 |
---|---|
目標達成意欲が高い | 数値目標を達成することに喜びを感じ、モチベーションを高く維持できる人は、インサイドセールスに向いています。 |
傾聴力が高い | 顧客の話を丁寧に聞き、ニーズを的確に捉えることができる傾聴力も、インサイドセールスには不可欠なスキルです。 |
学習意欲が高い | 常に新しい情報や知識を吸収しようとする学習意欲は、変化の激しいビジネス環境において必要不可欠です。 |
PCスキルが高い | CRM、SFA、MAなどのツールを使いこなすためのPCスキルは、業務効率化に直結します。 |
自己管理能力が高い | リモートワークなど、自律的に業務を進める必要のあるインサイドセールスでは、自己管理能力が重要です。 |
チームワークを重視する | マーケティングチームやフィールドセールスチームと連携して業務を進めるため、チームワークを重視できることも大切です。 |
成長意欲やポジティブな思考を持っている人、論理的思考力や問題解決能力が高い人などはインサイドセールスに向いていると言えるでしょう。自ら学び、成長しようとする姿勢は、変化の激しい現代社会において大きな武器となります。また、困難な状況でも前向きに捉え、解決策を探し出す能力も重要です。これらの要素は、インサイドセールスとして成功するために必要な要素と言えるでしょう。
詳しくはこちらの記事をご確認ください
インサイドセールスの求人は増加傾向
インサイドセールスは、近年注目を集めている営業手法であり、その求人も増加傾向にあります。企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進や、効率的な営業活動へのニーズの高まり、そして多様な働き方の需要増加が背景にあります。コロナ禍でリモートワークが普及したことも、インサイドセールスの需要を押し上げる要因となりました。dodaによれば、インサイドセールス、カスタマーサクセス職の求人数は3年間で約12倍に上昇しています。
インサイドセールス求人の増加割合
インサイドセールス関連の求人数は増加傾向にあるとされています。例えば、dodaの調査ではインサイドセールス・カスタマーサクセスを含む新しい営業職の求人数が3年で12倍にまで膨らんだというデータがあります。
インサイドセールスは成長市場であり、今後も求人数は増加していくと予測されます。
なぜインサイドセールス求人は増加しているのか
インサイドセールス求人の増加は、様々な要因が絡み合って起こっています。まず、企業側は人件費の削減や営業効率の向上といったメリットを求めて、インサイドセールスを導入するケースが増えています。特に、BtoB SaaS企業ではインサイドセールスが必須になりつつあります。
求職者側も、リモートワークが可能であったり、ワークライフバランスを保ちやすいといった点で、インサイドセールスを志望する人が増えています。このような需要と供給のバランスが、求人数の増加に繋がっていると考えられます。
企業側と求職者側の双方にとってメリットがあるため、インサイドセールス求人は今後も増加していくと予想されます。特に、IT・Web業界、BtoB SaaS企業を中心に、高い需要が見込まれます。
インサイドセールスの平均年収
インサイドセールスの平均年収は、経験、スキル、勤務地、企業規模など様々な要因によって変動します。そのため、一概にいくらとは断言できませんが、ここではいくつかの情報を元に平均年収の目安や年収アップのための方法について解説します。
職種・役職別の平均年収
Indeedによると、インサイドセールスの日本での平均給与(基本給)は年収¥4,458,229とのことでした。
求人サイトや転職エージェントの情報などを参考にすると、インサイドセールスの平均年収は以下のようになります。
役職 | 平均年収 |
---|---|
メンバークラス | 400万円~550万円 |
マネージャークラス | 700万円〜1,100万円 |
もちろん、これはあくまで目安であり、企業や個人の実績によって大きく異なる可能性があります。例えば、高い成果を上げている人材は、上記の平均年収を大きく上回ることもあります。
経験年数によっても年収は変動します。一般的に、経験年数が長くなるほど年収は上がっていく傾向にあります。
インサイドセールスの年収アップの方法
インサイドセールスとして年収をアップさせるためには、以下の方法が有効です。
スキルアップ
専門知識やスキルを身につけることで、市場価値を高めることができます。例えば、営業スキル、コミュニケーションスキルといった内容に加えて、業務効率化や最新のCRMツールの活用など、ITスキル、マーケティングスキルなどを磨くことで、より高い年収の求人に応募できる可能性が高まります。
インサイドセールスとしての実績を個人で積む or チームの成果アップに貢献する
高い営業成績を上げることで、昇進や昇給に繋がりやすくなります。目標達成に向けて努力し、実績を積み重ねることで、年収アップを目指しましょう。また、インサイドセールスは組織で取り組むことがほとんどのため、商材によらずマネジメントや企画の領域でチーム全体の成果を押し上げるような経験をしていると、評価されやすくなります。
転職
現在の会社で年収アップが難しい場合は、転職を検討するのも一つの方法です。転職エージェントなどを活用し、より好条件の求人を探してみましょう。
インサイドセールスでキャリアを積み上げた人の事例
インサイドセールスでキャリアを積み上げた人の事例を通して、具体的なキャリアパスや成功の秘訣を理解し、自身のキャリアプランニングに役立てましょう。
事例1:大手IT企業でインサイドセールスからマネージャーへ(32歳・男性)
Aさん「新卒では一生食いっぱぐれないだろうという見立てで、大手IT企業に入社しました。そこで、フィールドセールスを経て、インサイドセールスに異動し、5年ほど経験を積みました。当初は電話でのアポ獲得がなかなかできず、思うように成果が出せない時期もありましたね。あまり口が回るタイプではなかったので。(笑)
同じ部門の先輩から、顧客とのコミュニケーションスキルを盗み真似していくことで、徐々に成果を上げられるようになったのは、異動後半年ほどのことです。3年後にはチームリーダー、5年後にはマネージャーに昇進することができました。苦労した経験やお世話になった先輩との経験を活かして、チーム全体の売上を大きく伸ばした実績を評価されたのかなと。」
Aさんの成功の秘訣は、常に顧客目線で考え、ニーズを的確に捉えることにありました。また、チームメンバーの育成にも力を入れており、部下からの信頼も厚いリーダーだったようです。
事例2:スタートアップでインサイドセールスからフィールドセールスへ(28歳・女性)
Bさん「人財系のスタートアップ企業でインサイドセールスとして経験を積んだ後、SaaSの企業に転職し、フィールドセールスに転身しました。インサイドセールス時代はとにかく短期間での顧客との信頼関係構築のための情報提供と、切り返しを心がけていましたが、その経験を活かし、現在は腰を据えて顧客の課題解決に貢献することを意識しています。」
Bさんは、インサイドセールスで培ったスピード感と顧客理解がフィールドセールスでの成功に大きく繋がったと言えるでしょう。
事例3:インサイドセールス経験を活かしてマーケターへ転身
Cさんは「BtoB SaaS企業でインサイドセールスとして3年間勤務した後、マーケティング部門に異動しました。インサイドセールス時代から、とにかく『どのスクリプトが一番刺さるのか』『声色のトーンや語尾でアポ率は変わるか』など、とにかくオタクみたいな研究をしていましたね。
それなりに成果は出していましたが、そんな自分の性格を買ってくれてか、上司からマーケターへの転身を勧められたんです。『君の好きな実験がいくらでもできるぞ』と。(笑)
元々、顧客のニーズは理解していたので、それをより広いお客様、まだ話したことのないお客様に届けるべく、今浜0ケティングの領域で主に広告やLPのABテストを担当しています。」
Cさんは、インサイドセールスでの経験がマーケティング活動において大きな強みになった典型例です。
事例4:フリーランスのインサイドセールスコンサルタントとして独立
Dさん「複数の企業でインサイドセールス部門の立ち上げや運用に携わった後、フリーランスのインサイドセールスコンサルタントとして独立しました。
商材も規模も全く異なる企業での豊富な経験と実績を買っていただき、今は主にスタートアップや、大企業の新規事業部門のインサイドセールス体制構築や営業プロセス改善の支援を行っています。
インサイドセールスの技術にはトレンドがあるかもしれませんが、基本的に考えることは変わらないため、情報収集をしつつ本質的な価値を届けるよう心がけています。」
Dさんは、ISとしての基本スキルを高い水準でキープしつつ常に最新のインサイドセールスに関する情報を収集し、自身のスキルをアップデートし続けることで、競争力の維持に努めています。
異業種からインサイドセールスへ転身し成功
Eさん「もともとは外資系のホテルで接客業に従事していました。その後、IT企業のインサイドセールスに未経験で転職しました。
正直、ISが何かもわかっていなかったですし、BtoBの経験もなかったのですが、接客で培った丁寧なコミュニケーションとスピードの両立を買っていただいたのだと今は振り返っています。
顧客と直接顔を合わせることは無くなりましたが、電話口での声色や、オンラインMTGでの反応を見ると、自分が貢献できたかどうかすぐにわかるので、モチベーションになりますね。」
Esannha接客業で培ったコミュニケーション能力とホスピタリティを活かし、顧客との良好な関係を構築することに成功。異業種からの転職でもインサイドセールスで成功できることを示す好例です。
氏名 | 前職 | 現職 | 成功のポイント |
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Aさん | フィールドセールス→インサイドセールス | マネージャー | 顧客目線、チーム育成 |
Bさん | インサイドセールス | フィールドセールス | 顧客理解、信頼関係構築 |
Cさん | インサイドセールス | マーケター | 顧客ニーズの理解、購買行動分析 |
Dさん | インサイドセールス | フリーランスコンサルタント | 豊富な経験、スキルアップデート |
Eさん | ホテル業界 | インサイドセールス | コミュニケーション能力、ホスピタリティ |
インサイドセールスの採用に力を入れている有名企業
インサイドセールスへの注目度が高まるにつれ、積極的に採用に力を入れている企業も増えています。ここでは、有名な企業3社をピックアップしてご紹介します。
株式会社カミナシ
事業内容
現場帳票を電子化するサービス「カミナシ」を提供。「製造・飲食・宿泊・物流企業など全国15,000現場、30業種以上」での導入を誇る日本有数のベンチャーです。(参考:カミナシ)特にPCワークを行わない働き手向けのサービスを提供しています。
インサイドセールスへの取り組み
カミナシはインサイドセールスの取り組みをnoteで公開しています。カミナシではメールや架電などの伝統的なコミュニケーションに加えて、業界特化型のメルマガや、展示会でのリード創出など、総合的に取り組んでいることが特徴です。いわゆる架電部隊としてではなく、企画者として主体的に働くことができるでしょう。
求人例
ポジション名 | SR-1001. SaaSセールス(インサイドセールス) | SR-1006. セールスマネージャー候補(インサイドセールス) |
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業務内容 | 【SDR】 ・獲得したインバウンドリードに対する電話、メールでの商談創出 ・展示会での接客及び獲得したリードに対する電話、メールでの商談創出 ・優先度の高いハウスリストに対する電話、メール、セミナー誘致などを用いた商談創出 ・マーケティングと連携した施策を企画〜実行(セミナー開催など) 【BDR】 ・ターゲットアカウントに対する手紙、電話、メールを用いたアウトバウンドでの商談創出 ・フィールドセールスと協同した、ターゲット個社企業に対するアカウント戦略の策定及び実行 市場調査及びリストの作成 | ・チーム戦略の立案 ・チームの有効商談数の最大化 ・他部門(フィールドセールス、マーケティング)との連携 ・数名〜5人規模の組織運営 |
年収 | 480万円〜875万円 ※ストックオプション制度あり | 600万円〜1,000万円 ※ストックオプション制度あり |
株式会社SmartHR
事業内容
“well-working”を指向し、タレントマネジメントや労務関連のDXを行う労務管理クラウドSmartHRを展開している企業です。労務クラウド・タレントマネジメントクラウド関連で業界No1を獲得しています。(Smart HR)
インサイドセールスへの取り組み
エンタープライズとグロースマーケットに分かれ、前者は大手の開拓を、後者はそれ以外の企業の中で注力すべき企業をピックアップして対応しています。特にこの一年は「フィールドセールス(以下FS)との連携」「アカウントプランニング」「アウトバウンドのアプローチ」に注力し、「インサイドセールスの王道」が固まったとか。(参考:note「SmartHRのエンタープライズISの山登りが五合目ぐらいまで来ました」)
採用サイトにはインサイドセールスの特集があるほどの力の入れようで、キャリアパスも開けていると言えるでしょう。
求人例
ポジション名 | SR-1001. SaaSセールス(インサイドセールス) |
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業務内容 | インサイドセールスはマーケティングが獲得したリードへのアプローチを行います。 単に商談化をすれば良い、のではなくクロージングのパイプラインなどに応じて商談の質・量のバランスをコントロールする『弁』のような働きをします。 |
年収 | 想定年収例 467万6,000円〜700万円 当社規定に応じて、スキルによって個別に等級と金額を決定します。 |
スマートキャンプ株式会社(BOXIL SaaS)
事業内容
SaaS比較サイトBOXIL SaaSを展開。乱立するSaaSの中から、自社に最適なプロダクトを、口コミ・資料をベースに比較することができます。
インサイドセールスへの取り組み
少数精鋭のメンバーが法人営業の戦略の上流から利口までを一気通貫して担当。社内移動や新規事業開発への経験、働きやすい環境の整備など、長く働くための仕組みが整っており、ISとしてのキャリアも積み上げやすいと考えられます。
求人情報
ポジション名 | インサイドセールス(BOXIL)(R1) |
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業務内容 | インサイドセールスのメンバーとして、部長と連携しながら売上インパクトの大きい企業の開拓をはじめ、新規受注の最大化に繋がる戦術の立案・実行をお任せします。ゆくゆくはプレイングマネージャーの役割を担っていただきます。 |
年収 | 450万円〜750万円 |
まとめ
この記事では、近年注目を集めている営業手法であるインサイドセールスのキャリアパスについて解説しました。インサイドセールスとは、電話やメール、Web会議システムなどを活用した非対面営業で、フィールドセールスと比較して移動時間やコストを削減できる効率的な営業手法です。特にスタートアップやベンチャー企業での需要が高く、今後も市場の拡大が見込まれます。
インサイドセールスで得られるスキルは、コミュニケーション能力、顧客理解力、情報収集・処理能力など多岐に渡り、その後のキャリアパスも多様です。マネジメント、スペシャリスト、フィールドセールス、マーケター、カスタマーサクセスなど、様々な分野へのキャリアチェンジが可能です。そのため、営業経験者だけでなく、接客経験者やカスタマーサクセス経験者にも適した職種と言えるでしょう。また、求人数も増加傾向にあり、平均年収も安定しています。
インサイドセールスは、将来性があり、多様なキャリアパスを描ける魅力的な職種です。ぜひ、この記事を参考に今後のキャリアプランを検討してみてください