MENU

【企業名あり】SaaS営業の年収相場とは?未経験からの転職事例

SaaS営業の年収について、気になっている方は多いのではないでしょうか。この記事では、SaaS営業の年収相場を職種別(インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセス)、企業規模別(日系・外資系)、年齢別、経験別(未経験、経験者)など、様々な角度から徹底解説します。平均年収や手取り額だけでなく、20代・30代・40代といった年代別の生活イメージや、各職種の魅力やキャリアパス、企業ごとの年収例(Salesforce、Google、HubSpot、SmartHR、マネーフォワード、freeeなど)も紹介することで、SaaS営業への転職を考えている方にとって、より具体的なイメージを持っていただけるはずです。

・SaaS営業の年収相場が年齢別、経験別、ポジション別でわかる
・年収に応じた手取りや、生活イメージがわかる
・具体的な企業の年収がわかる
・未経験からSaaS営業に転職した人の具体例がわかる

目次

SaaSとは

SaaSの一例

SaaSとは、Software as a Serviceの略称で、クラウド経由でソフトウェアを提供するビジネスモデルです。従来のようにソフトウェアをパッケージで購入し、自社のサーバーにインストールするのではなく、インターネット経由で必要な機能を利用することができます。ユーザーはソフトウェアの購入費用やサーバーの維持管理費用を抑えられ、必要な時に必要な分だけ利用できるため、近年注目を集めています。

SaaSの特徴

SaaSの主な特徴は以下の通りです。

  • 低コスト:初期費用やサーバー維持費などが不要
  • 導入が容易:インターネット環境があればすぐに利用可能
  • 高い拡張性:ユーザー数や利用機能の変更が容易
  • 自動アップデート:常に最新のバージョンを利用可能
  • 場所を選ばない利用:インターネットに接続できる環境であれば、どこからでもアクセス可能

SaaSの市場規模

SaaS市場は急速に成長しており、今後も拡大が見込まれています。富士キメラ総研の調査によると、国内SaaS市場は2027年には2兆円を超える規模となり、2023年からのCAGR(年次成長率)は11%を見込んでいます。(参考:OneCapital「Japan SaaS Insights 2024 -生成AIの台頭によりSaaS市場は新たなステージへ-」

SaaSの例

SaaSは様々な分野で活用されています。代表的な例は以下の通りです。

分野代表例
CRM(顧客関係管理)Salesforce、HubSpot
ERP(統合基幹業務システム)SAP S/4HANA Cloud、Oracle ERP Cloud
グループウェアGoogle Workspace、Microsoft 365
人事管理SmartHR、ジョブカン
経理・財務マネーフォワードクラウド、freee、バクラク
Web会議Zoom、Microsoft Teams
プロジェクト管理Asana、Trello、backlog

SaaSの提供形態

SaaSは様々な形態で提供されています。代表的な例は以下の通りです。

提供形態説明
従量課金制利用量に応じて料金が発生するStripe
定額制毎月固定の料金で利用できるMicrosoft 365、Adobe Creative Cloud
ユーザー課金制利用ユーザー数に応じて料金が発生するSlack、Zoom
機能別課金制利用する機能に応じて料金が発生するSalesforce、HubSpot

SaaS営業と、他の営業との違い

SaaS営業と、他の営業との違い

SaaS営業は、他の営業職種と比較して、販売する製品・サービスの特性や顧客との関係性、営業プロセスなどに違いがあります。ここでは、非IT営業とIT営業との違いをそれぞれ解説します。

非ITの営業との違い

非IT企業の営業、例えば、保険や不動産、人材紹介などの営業との大きな違いは、販売対象が「無形商材」である点です。形のないサービスを顧客に理解させ、価値を感じてもらうためには、論理的な説明能力に加え、顧客の課題を深く理解し、適切なソリューションを提案するコンサルティング能力が求められます。

また、顧客との関係構築も長期的な視点が必要です。SaaSはサブスクリプションモデルであるため、顧客がサービスを使い続ける限り、継続的な収益が発生します。そのため、契約締結後も顧客との良好な関係を維持し、アップセルやクロスセルにつなげるためのカスタマーサクセスが重要になります。

項目非IT営業SaaS営業
販売対象有形商材が多い無形商材
顧客との関係短期的な取引が多い長期的な関係構築が必要
営業プロセス対面営業中心オンラインツール活用、インサイドセールスとの連携
必要なスキル交渉力、コミュニケーション能力コンサルティング能力、課題解決能力、ITリテラシー

IT営業との違い

IT営業の中でも、ハードウェアやパッケージソフトウェアを販売する営業との違いは、「継続課金型」である点です。一度きりの販売ではなく、継続的に顧客に利用してもらうことで収益を上げていくため、顧客の成功を支援する姿勢が重要になります。また、クラウドサービスの特性上、常に最新技術への理解と対応が必要です。

さらに、SaaS営業は、マーケティング部門との連携がより密接です。リードナーチャリングやリードクオリフィケーションといったマーケティング活動によって創出された見込み顧客に対して営業活動を行うため、マーケティング部門との連携が不可欠です。また、データ分析に基づいた営業活動も重要です。顧客の利用状況や行動履歴などのデータを分析することで、顧客ニーズを的確に捉え、最適な提案を行うことができます。CRMやSFAなどのツールを活用し、データドリブンな営業活動を実践することが求められます。

また、サービス提供側がカスタマイズするのではなく、顧客やベンダーがカスタマイズすることが多いため、顧客ニーズに対する柔軟性が低くなることもあります。時には顧客の要求と、プロダクトの開発優先度の間でせめぎ合うこともあるのが特徴です。

項目従来のIT営業(ハードウェア・パッケージソフト)SaaS営業
販売モデル買い切り型継続課金型
顧客との関係導入時中心継続的な関係構築が必要
技術への理解特定製品の知識クラウド技術、最新トレンドへの理解
マーケティングとの連携比較的独立密接な連携が必要
営業活動企業間の関係性や、入札、人間関係など、複雑は変数が絡み合うデータドリブン
オンラインで完結する場合も
カスタマイズ性顧客ごとにカスタマイズ・構築して提供基本的な機能が固まっており、カスタマイズは顧客かベンダーが行う

これらはあくまで一例ですが、違いを理解することで、SaaS営業という仕事の特性をより深く理解しておくことが必要です。

・単に「ITの仕事」という粒度でSaaSを捉えるのは危険

SaaS営業の職種別の年収

SaaS営業の職種別の年収

SaaS営業は、職種によって年収に差があります。ここでは代表的な3つの職種、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスについて、それぞれの平均年収や仕事内容、キャリアパスなどを詳しく解説します。

インサイドセールスの平均年収は481万円

インサイドセールスの平均年収は481万円

インサイドセールスは、電話やメール、Web会議ツールなどを用いて、顧客にアプローチする営業スタイルです。非対面での営業活動が中心となるため、効率的に多くの顧客にアプローチできることが特徴です。近年、SaaS業界を中心に需要が高まっている職種です。

Indeedによると、東京都での内勤営業・インサイドセールスの給与は¥4,811,842でした(2024年11月23日現在)。

インサイドセールスの仕事内容

見込み顧客(リード)の新規獲得、リードナーチャリング、商談設定を行います。顧客との良好な関係構築が重要です。また、マーケティングチームと連携して、リード獲得のための施策立案や実行を行う場合もあります。

詳しくは「インサイドセールスとフィールドセールスの違いとは?役割やKPI、分業の事例を解説」をご覧ください。

年代別の平均年収、手取り、生活イメージ

インサイドセールスの年収について詳しくは、「インサイドセールス(IS)の年収は?年齢やプレイヤー・マネージャー・平均年収レンジ別に徹底解説!」もご覧ください。

年代平均年収手取り(概算)生活イメージ
20代400万円~700万円約26万円~44万円都内で一人暮らし、夫婦共働きであれば生活できる、趣味や自己投資にもお金を使える。
都内で一人で家族3名以上を養う場合は、節制が必要。
30代500万円~1100万円約32万円~66万円都内で結婚して子供がいても生活できる。
1000万円を超えたら単収入でも住宅ローンの支払いに困らない。
40代600万円~1100万円約38万円~66万円自身で1000万円を超え、共働きなら、都内で持ち家、子供の教育費にも余裕を持てる。

役職別の平均年収、手取り、生活イメージ

役職平均年収手取り(概算)生活イメージ
メンバー400万円~700万円約26万円~44万円都内で一人暮らし、夫婦共働きであれば生活できる、趣味や自己投資にもお金を使える。
マネージャー700万円~1100万円約53万円~66万円自身で1000万円を超え、共働きなら、都内近郊で持ち家、家族でゆとりのある生活

インサイドセールスの魅力

成果が収入に直結しやすいリモートワーク可能な企業も多い未経験からでも挑戦しやすいなどが挙げられます。ITスキルやコミュニケーション能力を高めることができるため、キャリアアップにも繋がります。

インサイドセールスのキャリアパス

マネージャー、セールスディレクター、事業責任者など、営業部門でのキャリアアップの道が考えられます。また、マーケティング部門やカスタマーサクセス部門への異動も可能です。

インサイドセールスのキャリアパスについては「インサイドセールスのキャリアパスとは?身につくスキル、その先のキャリア、将来性まで解説」をご覧ください。

あわせて読みたい
インサイドセールスのキャリアパスとは?身につくスキル、その先のキャリア、将来性まで解説 インサイドセールスに興味があり、キャリアパスについて知りたいと思っていませんか?この記事では、インサイドセールスのキャリアパスについて網羅的に解説します。 ・...

フィールドセールスの平均年収は503万円

フィールドセールスの平均年収は503万円

フィールドセールスは、顧客を直接訪問して営業活動を行うスタイルです。顧客と直接会って関係性を構築することで、より深いニーズの把握信頼関係の構築が可能です。高額なSaaS商品や複雑なシステムの提案を行う場合に適しています。

フィールドセールスの仕事内容

顧客への訪問、ニーズヒアリング、提案、クロージング、契約後のフォローなど、営業活動全般を行います。顧客との良好な関係構築が重要です。また、既存顧客との関係維持や新規顧客の開拓なども行います。

年代別の平均年収、手取り、生活イメージ

年代平均年収手取り(概算)生活イメージ
20代400万円~700万円約26万円~44万円都内で一人暮らし、趣味や自己投資にもお金を使える
30代500万円~1800万円約32万円~99万円800万円ほどあれば、都内で結婚して子供がいても生活できる。
1000万円を超えたら単収入でも住宅ローンの支払いに困らない。
40代700万円~1800万円約53万円~99万円自身で1000万円を超え、共働きなら、都内近郊で持ち家、家族でゆとりのある生活

役職別の平均年収、手取り、生活イメージ

役職平均年収手取り(概算)生活イメージ
メンバー500万円~700万円約38万円~53万円都内で一人暮らし、またはパートナーと二人暮らし
マネージャー800万円~1200万円約60万円~90万円都内近郊で持ち家、家族でゆとりのある生活

フィールドセールスの魅力

顧客と直接関わることで、大きなやりがいを感じることができます。また、高いコミュニケーション能力プレゼンテーション能力を身につけることができます。

フィールドセールスのキャリアパス

マネージャー、セールスディレクター、支店長、事業責任者など、営業部門でのキャリアアップの道が考えられます。また、顧客との関係性を活かして、カスタマーサクセス部門への異動も可能です。

カスタマーサクセスの平均年収は551万円

カスタマーサクセスの平均年収は551万円

カスタマーサクセスは、既存顧客の成功を支援することで、顧客の解約率を低下させ、LTV(顧客生涯価値)の向上を目指す職種です。SaaSビジネスにおいて重要な役割を担っています。

Indeedによると東京都内でのカスタマーサクセスの給与は¥5,511,343でした(2024年11月23日現在)。

カスタマーサクセスの年収については「カスタマーサクセスの年収は?年齢やプレイヤー・マネージャー・業界別に徹底解説!」もご確認ください。

あわせて読みたい
カスタマーサクセスの年収は?年齢やプレイヤー・マネージャー・業界別に徹底解説! カスタマーサクセスは、企業と顧客が共に成功を目指す重要な役割を果たしています。 この記事では、カスタマーサクセスやカスタマーサクセスマネージャーの年収について...

カスタマーサクセスの仕事内容

顧客へのオンボーディング、トレーニング、サポート、アップセル・クロスセル、顧客の成功事例の作成などを行います。顧客との長期的な関係構築が重要です。また、顧客からのフィードバックを製品開発に活かすなど、社内での橋渡し役も担います。

年代別の平均年収、手取り、生活イメージ

年代平均年収手取り(概算)生活イメージ
20代350万円~500万円約23万円~33万円450万円ほどあれば、都内で一人暮らし、趣味や自己投資にもお金を使える
30代500万円~1100万円約33万円~66万円都内で一人暮らし、夫婦共働きであれば生活できる、趣味や自己投資にもお金を使える。
800万円未満、都内で一人で家族3名以上を養う場合は、節制が必要。
40代800万円~1500万円約53万円~85万円自身で1000万円を超え、共働きなら、都内で持ち家、子供の教育費にも余裕を持てる。

役職別の平均年収、手取り、生活イメージ

役職平均年収手取り(概算)生活イメージ
メンバー500万円~700万円約38万円~53万円都内で一人暮らし、夫婦共働きであれば生活できる、趣味や自己投資にもお金を使える。
800万円未満、都内で一人で家族3名以上を養う場合は、節制が必要。
マネージャー800万円~1500万円約53万円~85万円自身で1000万円を超え、共働きなら、都内で持ち家、子供の教育費にも余裕を持てる。

カスタマーサクセスマネージャーの年収については「【年収事例あり】カスタマーサクセスマネージャー(CSM)とは?仕事内容、年収、キャリアパスを解説」をご覧ください。

あわせて読みたい
【年収事例あり】カスタマーサクセスマネージャー(CSM)とは?仕事内容、年収、キャリアパスを解説 カスタマーサクセスマネージャー(CSM)は、現代のビジネスにおいて重要な役割を果たすカスタマーサクセスの上位ポジションです。本記事では、外資系企業等で重宝される...

カスタマーサクセスの魅力

顧客の成功に貢献できることに、大きなやりがいを感じることができます。また、顧客との長期的な関係構築を通じて、信頼関係を築くことができます。SaaSビジネスの成長に大きく貢献できるポジションです。

カスタマーサクセスのキャリアパス

マネージャー、カスタマーサクセスディレクター、事業責任者など、カスタマーサクセス部門でのキャリアアップの道が考えられます。また、顧客理解を深め、プロダクトマネージャーやマーケティング部門への異動も可能です。

詳しいキャリアパスについては、「カスタマーサクセスのキャリアパスとは?スペシャリストからマネジャーまで」をご覧ください。

あわせて読みたい
カスタマーサクセスのキャリアパスとは?スペシャリストからマネジャーまで この記事では、「カスタマーサクセス」という職種のキャリアパスについて詳しく解説します。特に昨今はスタートアップやベンチャーでのキャリアを考えている人の中で、...

外資系SaaS企業の年収

外資系SaaS企業の年収

外資系SaaS企業は、高い給与水準で知られています。成果主義の文化が根付いており、実力次第で高収入を得ることが可能です。また、ストックオプション制度を導入している企業も多く、将来的に大きなリターンを得られる可能性もあります。業績やポジションによって年収は大きく変動しますが、日本企業と比較して高額であるケースが多いです。ただし、高い年収には相応の責任とプレッシャーが伴うことも理解しておく必要があります。

有名な外資系SaaS企業の具体例

外資系SaaS企業の中でも、特に有名な企業の年収例を以下に示します。これらの企業は、世界的に事業を展開しており、日本においても高い知名度と人気を誇っています。福利厚生や研修制度も充実していることが多く、優秀な人材が集まっています。

企業名平均年収事業内容
セールスフォース1,208万円(Vorkersより)CRMソフトウェアの提供
Sales Cloud, Service Cloud, Marketing Cloudなど
グーグル1,710万円(Vorkersより)インターネット関連サービスの提供
Google Workspace, Google Cloud Platform
マイクロソフト1,267万円(Vorkersより)ソフトウェア、ハードウェアの開発・販売
Microsoft 365, Azureなど
アドビ1,332万円(Vorkersより)クリエイティブソフトウェアの提供
Adobe Creative Cloud, Adobe Experience Cloudなど
SAP1,097万円(Vorkersより)企業向けソフトウェアの提供
SAP S/4HANA, SAP Business Oneなど

上記はあくまで平均年収の目安であり、職種や経験、スキルによって大きく変動します。また、ストックオプションやボーナスなども考慮する必要があります。企業の業績によっても変動するため、最新の情報を確認することが重要です。

外資系SaaS企業で働く上での注意点

外資系SaaS企業で働くことは、キャリアアップや高収入獲得のチャンスにつながりますが、同時にいくつかの注意点も存在します。これらの注意点を理解した上で、転職活動を進めることが重要です。

成果へのコミットメントが求められる

外資系SaaS企業は、成果主義の文化が強いため、高い成果を求められます。目標達成に向けて、自主性責任感を持って仕事に取り組む必要があります。また、パフォーマンスが昇進や昇給に大きく影響するため、常に高いレベルの成果を出し続けることが求められます。

英語力が必要な企業が多い

グローバル企業である外資系SaaS企業では、英語力が必須となる場合が多くあります。社内コミュニケーションや、海外拠点とのやり取りで英語を使用する機会も多いため、ビジネスレベルの英語力が求められます。英語力に不安がある場合は、事前に英語学習に取り組むなど、対策を講じておくことが重要です。

レイオフの可能性もある

外資系企業では、業績悪化経営戦略の変更などにより、レイオフが行われる可能性があります。日本企業と比較して、レイオフは比較的一般的であるため、常にリスクを意識しておく必要があります。また、転職活動においても、企業の安定性を考慮に入れることが重要です。

外資系SaaS企業でのキャリアパス

外資系SaaS企業では、実力次第でスピーディーなキャリアアップが可能です。明確な評価基準に基づいて昇進・昇格が行われるため、モチベーション高く仕事に取り組むことができます。また、グローバルな環境で働くことで、多様な経験を積むことができ、自身の市場価値を高めることができます。マネジメント職への昇進や、他の外資系企業への転職など、様々なキャリアパスを描くことができます。

代表的なキャリアパスとしては、セールスからスタートし、シニアセールス、マネージャー、ディレクターへと昇進していくルートや、カスタマーサクセスからスタートし、マネージャー、ディレクター、さらにはカスタマーサクセス部門の責任者へと昇進していくルートなどがあります。また、専門性を高めてスペシャリストとして活躍する道も開かれています。

日系SaaS企業の年収

日系SaaS企業の年収

日系SaaS企業の年収は、企業規模、職種、経験、スキルなどによって大きく異なります。一般的に、外資系企業と比較すると平均年収は低い傾向にありますが、近年は成長著しい企業も多く、魅力的な報酬体系を提示する企業も増えてきています。日系SaaS企業で働く上での注意点やキャリアパスなども含めて、詳しく解説していきます。

日系SaaS企業の具体例

ここでは、代表的な日系SaaS企業の平均年収や事業内容、求める人物像などを紹介します。これらの情報はあくまで参考値であり、実際の年収は個々のスキルや経験によって変動することをご理解ください。

企業名平均年収事業内容
freee638万円(Vorkersより)クラウド会計ソフト「freee会計」などを提供するFinTech企業。中小企業の経営を効率化するサービスを展開。
SmartHR663万円(Vorkersより)クラウド人事労務ソフト「SmartHR」を提供。人事労務業務の効率化、ペーパーレス化を支援。
Sansan658万円(Vorkersより)名刺管理サービス「Sansan」や法人向けクラウド名刺管理サービス「Eight」を提供。ビジネスにおける人脈管理を支援。
サイボウズ574万円(Vokersより)グループウェア「サイボウズ Office」やkintoneなどを提供。チームワーク強化、業務効率化を支援。
kubell(Chatwork)553万円(Vokersより)ビジネスチャットツール「Chatwork」を提供。社内外のコミュニケーションを円滑化。

日系SaaS企業で働く上での注意点

日系SaaS企業で働くことを検討する際に、注意すべき点がいくつかあります。事前にこれらの点を理解しておくことで、ミスマッチを防ぎ、より良いキャリアを築くことができます。

スタート年収に注意

日系企業は、外資系企業と比較して、スタート年収が低い傾向があります。将来的に昇給が見込める企業かどうか、評価制度が明確になっているかなどを確認することが重要です。

ボーナスがあるか、ストックオプションがあるかなどに注意

企業によって、ボーナスやストックオプションの有無、支給額は異なります。報酬体系全体を理解した上で、転職を検討しましょう。中には、ストックオプション制度が充実しているスタートアップ企業なども存在します。

会社によって、カルチャーや制度は様々

日系SaaS企業といっても、企業文化や社内制度は様々です。企業理念や働き方、社風などが自分に合っているかを事前に確認することが大切です。企業のウェブサイトや採用情報、口コミサイトなどを活用して情報収集を行いましょう。

日系SaaS企業でのキャリアパス

日系SaaS企業では、様々なキャリアパスを描くことができます。営業、マーケティング、カスタマーサクセス、プロダクトマネージャーなど、自身のスキルや経験、興味関心に合ったキャリアを築くことが可能です。

例えば、営業として入社した場合は、インサイドセールスからフィールドセールス、そしてマネージャーへと昇進していく道筋があります。また、他の職種への転換も可能であり、社内異動制度などを活用することで、多様なキャリアを積むことができます。さらに、近年では、SaaS業界での経験を活かして、独立・起業する人も増えてきています。

未経験からの転職事例

未経験からの転職事例

SaaS業界は成長市場ということもあり、他業種からの転職事例も多く見られます。ここでは、未経験からSaaS営業に転職した3名の事例を紹介します。

キャリアアドバイザーから、日系SaaS企業のカスタマーサクセスへ(女性、27歳)

転職前の状況

大学卒業後、新卒で人材紹介会社に入社。キャリアアドバイザーとして3年間勤務し、企業の採用支援や求職者の転職サポートを行っていました。IT業界の求人を扱うことも多く、SaaS企業の成長性や将来性に興味を持つように。顧客との長期的な関係構築にやりがいを感じていたが、今後のキャリアパスを広げるためにtoBでの仕事を探し、未経験でもtoBの経験を積める、カスタマーサクセス職への転職を検討し始めました。

「この後のキャリアがキャリアコンサルタントになるか、チームのマネジメントになるかの二択でした。しかし今後のキャリアパスを考えると、人材以外でBtoBの経験を積むことでキャリアが広がるのではないかと思いました。とはいえ経験がない中で、カスタマーサクセスなら入りやすいと聞いたんです。」

転職活動と入社後の様子

転職活動は転職エージェントを利用。SaaS業界の企業を中心に紹介を受け、面接対策などのサポートを受けながら選考を進めました。未経験での転職活動は不安もありましたが、前職での顧客対応経験やコミュニケーション能力をアピールすることで、希望していた日系SaaS企業のカスタマーサクセス職に内定を獲得。入社後は、研修やOJTを通して製品知識や業務フローを学び、現在は顧客のオンボーディングやサポートを担当。前職で培ったコミュニケーション能力を活かし、顧客との良好な関係構築に努めています。顧客の成功に貢献できることにやりがいを感じているとのことです。

「キャリアアドバイザーの頃の顧客貢献意識は使いつつ、BtoBでの経験を積めるのがカスタマーサクセスの魅力です。」

年収の変化

時期年収
転職前600万円
転職後550万円

半導体のルート営業から、日系SaaS企業のインサイドセールスへ(男性、29歳)

転職前の状況

大学卒業後、半導体メーカーに営業として入社。既存顧客へのルート営業を5年間担当。成長業界ではありましたが、より裁量のある業界でキャリアアップを目指したいという思いから、転職を決意。SaaS業界の急成長と、営業としてのスキルアップの可能性に魅力を感じ、インサイドセールス職への転職を希望しました。

「半導体産業もかなり盛り上がっていたのですが、どうしても自分の貢献範囲が狭い気がしていて、多少年収が落ちても裁量があって、キャリアアップが素早くできる仕事を探しました。」

転職活動と入社後の様子

転職サイトや転職エージェントを活用し、積極的にSaaS企業の求人を探しました。面接では、前職での営業経験や顧客との関係構築能力、そしてSaaS業界への強い関心をアピール。結果、日系SaaS企業のインサイドセールス職に内定。入社後は、オンライン商談や電話、メールでの顧客対応、見込み顧客の獲得など、インサイドセールスとしての業務に励んでいます。前職とは異なる営業スタイルへの適応に苦労した時期もあったものの、研修や先輩社員のサポートもあり、徐々に成果を出し始めています。SaaSビジネスモデルの理解を深めるため、自主的に勉強会に参加するなど、スキルアップにも意欲的です。

「インサイドセールスという仕事自体初めてだったため、同じ営業でもここまでやることが違うのかという驚きはありました。スピード感が重要な仕事なので、どんどんPDCAを回してフィードバックをもらうようにして、今はそれなりに活躍できていると思います。」

年収の変化

時期年収
転職前550万円
転職後500万円

大手IT企業の営業から、外資系SaaS企業のフィールドセールスへ(男性、32歳)

転職前の状況

大学卒業後、大手IT企業に営業として入社。法人営業を7年間担当し、大規模なシステム導入プロジェクトなどを経験。グローバルな環境で、より高いレベルの営業スキルを身につけることを目指し、外資系SaaS企業への転職を決意。高い報酬と、成果主義の文化に魅力を感じ、フィールドセールス職を希望しました。

「うっすらと外資系への憧れがあり、英語の学習は続けていましたが、なかなか踏み出せずにいました。安定した環境ではあったものの、挑戦するなら30代前半の今だなと思い、外資への挑戦を決めました。」

転職活動と入社後の様子

LinkedInや転職エージェントを活用し、外資系SaaS企業の求人を中心に転職活動を行いました。英語での面接や、ビジネスケーススタディなど、選考は厳しいものでしたが、前職での実績や英語力、そしてSaaS業界への高い理解度をアピールすることで、希望していた外資系SaaS企業のフィールドセールス職に内定。入社後は、高い目標設定や成果主義の文化に刺激を受けながら、日々業務に取り組んでいます。前職で培った大規模案件の対応経験を活かし、顧客への提案活動や契約交渉などを担当。グローバルなチームとの協働や、最先端のSaaSプロダクトに携わることで、大きなやりがいを感じているとのことです。

「グローバルな環境で英語も使いますが、クライアントは日系企業なので、風土的には日系的な部分もあります。求められる水準はかなり高いですし、タフな日々ですが、頑張りが年収にそのまま反映されますし、フラットで昇進スピードも速いので気に入っています。」

年収の変化

時期年収
転職前800万円
転職後900万円

これらの事例はあくまで一部ですが、SaaS業界では、様々なバックグラウンドを持つ人材が活躍していることがわかります。未経験であっても、SaaS業界への興味関心や、これまでの経験を活かすことで、転職を成功させることは可能です。また、SaaS営業は、顧客との長期的な関係構築や、課題解決型の提案力が求められるため、コミュニケーション能力やコンサルティング能力を高めることができます。将来性のあるSaaS業界で、キャリアアップを目指したい方は、ぜひ挑戦してみてください

まとめ:SaaS営業職は将来性も高く、実力次第でしっかり稼げるので、若い間に挑戦しておくと良い

SaaS営業職は将来性も高く、実力次第でしっかり稼げるので、若い間に挑戦しておくと良い

SaaS市場は拡大を続けており、SaaS営業職の需要も増加傾向にあります。市場の成長に伴い、キャリアアップの機会も豊富にあり、マネージャーや事業責任者など、様々なキャリアパスを描くことができます。また、SaaS営業は成果が評価に直結しやすい職種でもあるため、実力次第で高い年収を得ることが可能です。インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスなど、様々な職種があり、それぞれの強みを活かして活躍できる点も魅力です。未経験から転職した事例も紹介した通り、他業種からの転職も比較的容易です。20代、30代はもちろん、40代以降のキャリアチェンジを考えている方にもおすすめです。SaaS業界は変化のスピードが速く、常に新しい知識やスキルを習得していく必要がありますが、市場の将来性と高収入の可能性を考慮すると、若い間に挑戦する価値は大いにあると言えるでしょう。

気に入ったらシェア!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

スタートアップ・ベンチャー企業への転職支援や、キャリアコンサルティングの実務経験を持つ専門家チーム。新規事業立ち上げや、成長企業でのキャリア構築に関する取材・研究を重ね、実践的な知見を蓄積。転職市場の最新動向から、実践的なキャリア戦略まで、幅広い情報を発信しています。

特に、事業成長のためのタレント採用や、ベンチャー企業特有の組織課題、スタートアップでの活躍に必要なスキル開発など、成長産業でのキャリア構築に関する情報提供には定評があります。

編集ポリシーはこちら

目次