この記事では、未経験からカスタマーサクセスへの転職について詳しく解説します。カスタマーサクセスの仕事内容や求められるスキル、向いている人の特徴を具体的に紹介し、転職の際の助けとなります。さらに、カスタマーサクセスが注目される理由や将来性、年収についても触れ、キャリアプランの参考となる記事です。
実際の体験談を交えながら、未経験者が転職を成功させるためのポイントや、転職後のキャリアパスについても解説します。SaaSやクラウドサービスの普及により需要が高まっているカスタマーサクセス。この記事を読めば、あなたが未経験からこの職種に転職できるかどうか、具体的なイメージを掴むことができるはずです。
カスタマーサクセスとはどんな職種?
カスタマーサクセスの概念
カスタマーサクセスは、顧客の成功を支援し、長期的な関係性を構築することを目的とした職種です。従来のカスタマーサポートとは異なり、問題解決だけでなく、顧客が製品やサービスを通じて目標を達成できるよう積極的にサポートします。
カスタマーサクセスはなぜ今人気?
カスタマーサクセスが注目を集めている理由には、以下のようなものがあります:
- SaaS(Software as a Service)ビジネスモデルの普及
- 顧客生涯価値(LTV)の重要性
- 顧客体験(CX)の重視
- 競争激化による顧客維持の必要性
SaaSが幅広い領域で出現し、各社が自社にとってベストなソリューションを選べるようになった今、SaaSを提供している企業にとっては、自社のプロダクトが「選ばれ続ける」必要が増しています。
そのため、自社のプロダクトの機能や、顧客にとっての適切な使い方をレクチャーし、時にはコンサルティングもするような伴走者=カスタマーサクセスの重要性が現代ではどんどん上がっているのです。
特にサブスクリプションモデルを採用する企業にとって、顧客の継続利用は収益に直結するため、カスタマーサクセスの役割が重要視されています。
カスタマーサクセスの年収・将来性
カスタマーサクセスは今後も成長が見込まれる職種です。JOB PICKSによると、カスタマーサクセスマネージャーの平均年収は以下のようになっています。
経験年数 | 平均年収 |
---|---|
20代 | 525万円 |
30代 | 740万円 |
20代で525万円、30代で740万円と伸び代があり、経験や実績を積むことで、年収の上昇が期待できる職種といえます。
カスタマーサクセスの年収についてについても解説しています。ご参照ください。
また将来性についても、リクルート研究所の報告によると、カスタマーサクセスの求人数推移は2019年から2022年度で3.58倍となっており、さらに3人に1人以上が異業種×異職種からの転職と、人気が増しておりさまざまな人に転職のチャンスがある職種であるといえます。
カスタマーサクセスの業務内容
具体的な業務の概観・流れ
カスタマーサクセスの業務は、顧客の「ライフサイクル」に沿って展開されます。例えば、国内SaaSの雄である「Sansan」の事例では、顧客サイクルを導入期から定着期に細分化し、習慣の変化と業務の変化を目指しているようです。
それを業務の流れとして細分化すると下記のようになります。
- 新規顧客の獲得支援
- 製品・サービスの導入支援
- 利用状況のモニタリングと分析
- 顧客ニーズの把握と提案
- 問題解決とサポート
- アップセルやクロスセルの機会創出
- 顧客満足度の向上と維持
しかし、上記の流れは目的として「顧客の成功=カスタマーサクセス」があることを前提としています。形骸的なカスタマーサクセスから、今後は、真に顧客の課題に対して向き合えるカスタマーサクセスが市場で求められるようになるでしょう。
オンボーディング
オンボーディングは、新規顧客が製品やサービスを効果的に利用できるようサポートする重要なプロセスです。具体的には以下のような業務が含まれます。まずは使い始める、ことが重要であり、導入の時点で「入れたけど使わない」状態にならないように、オンボーディングの設計はSaaS企業が力を入れるポイントです。
カスタマーサクセスにとっても、顧客企業との初接点となる場合が多く、このプロセスにおいて相手の信頼を獲得できるかが全体の成功のために重要な観点となります。
具体的な業務内容
- 製品・サービスの初期設定支援
- 使用方法のトレーニング・
- 顧客の目標設定とアクションプランの作成
- 最初の成功体験の創出
アダプション
アダプションフェーズでは、顧客が製品・サービスを日常的に活用できるよう支援します。Adoption(採用・採択)の言葉の通り、そのプロダクトが実際に採用/採択され、積極的に使用されることを目指します。
一般的に顧客はここで、プロダクトの価値を強く感じます。「このプロダクト便利だな」と感じてもらうフェーズです。その逆に、アダプションフェーズでのフォローが少ないと、プロダクトの価値を十分に感じることができず、その後の解約要因を生む最初のきっかけとなってしまいます。
具体的な業務内容
- 利用状況のモニタリングと分析
- ベストプラクティス(理想的な使い方)の共有
- 機能の活用提案
- 定期的な打ち合わせ
エクスパンション
エクスパンションフェーズでは、顧客との関係性を深め、ビジネス拡大の機会を創出します。拡大・拡張を意味する言葉であり、SaaS企業にとってはここがプロダクトの売上トップラインを伸ばす重要なフェーズになります。
適切なオンボーディングとアダプションを経た先で、顧客が十分な価値を感じている、かつ、カスタマーサクセスに対する信頼が情勢されたタイミングで、アップセル/クロスセルの提案をします。
ただ提案をすればいいというものではなく、顧客からの信頼や、これまでのプロセスの中で顧客のニーズや課題を的確に捉えられているかが最も大切なポイントです。
具体的な業務内容
- アップセル・クロスセルの提案
- 新機能や追加サービスの紹介
- 顧客の成長に合わせた戦略提案
- 成功事例の作成と共有
カスタマーサクセスは、これらのフェーズを通じて顧客との長期的な関係性を構築し、顧客と自社の相互の成功を実現することを目指します。
カスタマーサクセスに求められること
カスタマーサクセスは、顧客の成功を支援する重要な役割を担っています。この職種で成功するためには、特定の知識とスキルが求められます。以下では、カスタマーサクセスに不可欠な要素について詳しく見ていきましょう。
米メディアCHURNZEROによると、Hello CCO のCEO であり、『The Chief Customer Officer Playbook』の著者でもあるRod Cherkas氏は、カスタマーサクセスには、売上高の増加に目に見える形で貢献できるような役割がより求められるようになると予測しています。
これは前段でも述べたように、SaaSプロダクトが「ただ作ればいい」時代から、「選んでもらい、顧客に成功してもらう」フェーズに移ったことで、各社が売上拡大のためにより強く顧客の課題を解決する現場=カスタマーサクセスに、力を入れていく状況になっているからと言えるでしょう。
カスタマーサクセスに求められる知識
カスタマーサクセスの専門家には、以下の知識が求められます
プロダクト知識
自社製品やサービスについての深い理解は、カスタマーサクセスの基本です。顧客の問題を効果的に解決し、製品の価値を最大限に引き出すためには、製品の機能や使用方法を熟知している必要があります。
プロダクト知識を身につける方法
- 製品マニュアルや技術文書を熟読する
- 社内トレーニングに積極的に参加する
- 実際に製品を使用してみる
- 開発チームとのコミュニケーションを密に取る
業界知識
顧客の業界や市場動向を理解することも重要です。顧客のビジネスモデルや業界特有の課題を把握することで、より適切なソリューションを提案し、信頼を獲得する・顧客の成功を実現することができます。
【業界知識を向上させる方法】
- 業界紙や専門誌を定期的に読む
- 業界セミナーやカンファレンスに参加する
- 顧客との対話から学ぶ
- 競合他社の動向をチェックする
カスタマーサクセスに求められるスキル
知識に加えて、次のようなスキルが求められます。
【カスタマーサクセスに求められる4つのスキル】
上記のスキルもカスタマーサクセスとしてキャリアを積み上げるために重要です。
コミュニケーション力
顧客との効果的なコミュニケーションは、カスタマーサクセスの根幹です。明確で分かりやすい説明、積極的な傾聴、適切な質問を通じて、顧客のニーズを正確に把握し、最適なソリューションを提供することができます。
コミュニケーション力を磨くためのヒント
- 顧客との対話を録音し、後で自己分析する
- ロールプレイング練習を行う
- フィードバックを積極的に求める
- 専門用語を避け、平易な言葉で説明する習慣をつける
問題解決能力・ロジカルシンキング
顧客が直面する課題は多岐にわたります。複雑な問題を論理的に分析し、効果的な解決策を導き出す能力は、カスタマーサクセスにとって不可欠です。
問題解決能力を向上させるための方法
- ケーススタディを活用した学習
- ブレインストーミングセッションへの参加
- 過去の成功事例や失敗事例の分析
- 論理的思考力を鍛えるパズルやゲームの活用
マルチタスク力
カスタマーサクセスの現場では、複数の顧客案件を同時に管理することが求められます。優先順位を適切に設定し、効率的にタスクを処理する能力は、成功への鍵となります。
マルチタスク力を磨くためのテクニック
提案能力
顧客のビジネス成果を最大化するためには、単なる製品サポートを超えた戦略的な提案が必要です。顧客の潜在的なニーズを先読みし、価値ある提案を行うことで、真のパートナーシップを築くことができます。
提案能力を向上させるためのアプローチ
- 顧客の業界動向や競合状況の定期的な分析
- 成功事例のデータベース化と活用
- 社内の他部門(営業、マーケティング、開発など)との情報交換
- プレゼンテーションスキルの向上
これらの知識とスキルを総合的に磨くことで、カスタマーサクセスのプロフェッショナルとして成長し、顧客と自社の双方に価値を提供することができます。継続的な学習と実践を通じて、これらの能力を高めていくことが重要です。
カテゴリ | 重要な要素 | 向上のためのアクション |
---|---|---|
知識 | プロダクト知識 業界知識 | 製品マニュアルの熟読 業界セミナーへの参加 |
スキル | コミュニケーション力 問題解決能力 マルチタスク力 提案能力 | ロールプレイング練習 ケーススタディ分析 タスク管理ツールの活用 プレゼンテーションスキルの向上 |
カスタマーサクセスの役割は、テクノロジーの進化や顧客期待の変化とともに常に進化しています。ガートナー社の報告によると、2025年までに、顧客体験管理にAIを活用する企業が60%に達すると予測されています。
日本企業でもAIの導入は進んでおり、カスタマーサクセスにとってAIの知識も重要になるでしょう。
カスタマーサクセスに向いている人は?
カスタマーサクセスは、顧客や自社内の広い部署との連携が必要な職種です。この職種に向いている人の特徴や、あると良い経験について詳しく見ていきましょう。
また、カスタマーサクセスに向いている人の特徴などをまとめた記事もございます。 ぜひご参照ください。
カスタマーサクセスに向いている性格・指向性
コミュニケーション能力が高い・コミュニケーションを取るのが好き
顧客との良好な関係構築が不可欠なカスタマーサクセスでは、優れたコミュニケーション能力が求められます。具体的には以下のような特徴が挙げられます。
- 傾聴力が高い
- 相手の立場に立って考えられる
- 分かりやすく説明できる
- 適切な質問ができる
これらのスキルは、顧客のニーズや状態をヒアリングベースで捉えていくカスタマーサクセスにおいて非常に重要です。
顧客視点・いいものを届けたい
カスタマーサクセスの本質は、顧客の成功を支援することです。そのため、以下のような特徴を持つ人が向いています。
- 顧客第一の考え方ができる
- 顧客の課題解決に喜びを感じる
- 製品やサービスの価値を顧客に届けたいという強い思いがある
- 自社プロダクトへの愛が持てる
顧客の成功に真摯に向き合い、その実現に情熱を注げる人がカスタマーサクセスに適しています。
成長業界でキャリアを積みたい
カスタマーサクセスはSaaS企業が一般的になるにつれて浸透した概念・職種なので比較的新しく、今後もさらなる成長が期待されています。また、多くのIT企業においてはカスタマーサクセスからのキャリアパスは社内外で多種多様であり、さまざまなキャリアパスを描くきっかけにもなります。
そのため、以下のような志向を持つ人に向いています。
- 新しいことにチャレンジしたい
- 成長産業で最先端のスキルを身につけたい
- 自身のキャリアを積極的に構築していきたい
- 専門的な職能を身に付けたい
- プロダクト開発に将来的に関わりたい
カスタマーサクセスに向いている経験職種
未経験からカスタマーサクセスへの転職を考える場合、以下の職種での経験が活かせる可能性が高いです。
法人営業
法人営業の経験者は、以下の点でカスタマーサクセスに適しています。
- 顧客との関係構築スキルがある
- ビジネス課題の理解と解決提案の経験がある
- 数字に対してのコミットや感覚
営業で培ったコミュニケーション能力やヒアリング・提案力は、カスタマーサクセスでも大いに活かせます。
営業とカスタマーサクセスの違い・連携ポイントについてもまとめているのでぜひご参照ください。
CA(キャリアアドバイザー)
CAの経験は以下の点でカスタマーサクセスに活かせます:
- 個々の状況に応じたアドバイス能力
- 長期的な視点でのサポート経験
- コーチングスキル
- ヒアリング能力
これらのスキルは、顧客の成長を支援するカスタマーサクセスの役割と非常に親和性が高いです。
RA(リクルーティングアドバイザー)
RAの経験者が持つ以下のスキルは、カスタマーサクセスで活かせます:
- ニーズのヒアリング能力
- マッチング力
- 説得力のあるコミュニケーション
これらのスキルは、顧客のニーズを適切に理解し、最適なソリューションを提案するカスタマーサクセスの業務に直結します。
カスタマーサポート
カスタマーサポートの経験は、以下の点でカスタマーサクセスに活かせます:
- 顧客対応の基本スキル
- 問題解決能力
- 製品やサービスに関する深い知識
カスタマーサポートでの経験は、カスタマーサクセスに求められる顧客中心のアプローチと非常に親和性が高いです。
カスタマーサクセスとカスタマーサポートの違いについても詳しく解説しています。気になった方はぜひご一読ください。
マーケター
マーケティング経験者は、以下の点でカスタマーサクセスに適しています:
- 顧客ニーズの分析力
- データに基づく戦略立案能力
- 製品やサービスの価値提案力
これらのスキルは、顧客の成功を戦略的に支援するカスタマーサクセスの役割に直接活かせます。
インサイドセールス
インサイドセールスの経験は、以下の点でカスタマーサクセスに活かせます:
- リモートでの顧客コミュニケーション能力
- 製品知識と提案力
- 顧客ニーズの把握と解決策の提示
これらのスキルは、特にSaaS企業などのカスタマーサクセス業務と親和性が高いです。
インサイドセールスの仕事内容や活かせるスキルについてもまとめているのでぜひご一読ください。
接客業(ウェディングプランナー・アパレル)
接客業の経験者が持つ以下のスキルは、カスタマーサクセスで活かせます:
- 顧客満足度を高めるためのホスピタリティ
- 個々のニーズに合わせた提案力
- 感情労働への対応力
接客業で培った「おもてなし」の精神は、カスタマーサクセスにおける顧客との信頼関係構築に大いに役立ちます。
経験職種 | 活かせるスキル・経験 | カスタマーサクセスとの親和性 |
---|---|---|
法人営業 | 顧客関係構築、課題解決提案 | 高い |
CA・RA | 個別アドバイス、コーチング | 非常に高い |
カスタマーサポート | 顧客対応、問題解決 | 極めて高い |
マーケター | ニーズ分析、価値提案 | 高い |
インサイドセールス | リモートコミュニケーション、提案力 | 非常に高い |
接客業 | ホスピタリティ、個別対応 | 高い |
以上の職種経験は、カスタマーサクセスへの転職において大きな強みとなります。ただし、これらの経験がなくても、顧客志向のマインドセットと学習意欲があれば、カスタマーサクセスへ転職できる可能性はあります。
さらに詳しく知りたい方はカスタマーサクセスに向いている人とは?を参照してみてください。
カスタマーサクセス転職のポイント
メリット
カスタマーサクセスへの転職には、以下のようなメリットがあります:
- 成長産業での活躍:SaaS業界を中心に需要が高まっており、キャリアの可能性が広がります。
- 幅広いスキル習得:顧客対応、データ分析、プロジェクト管理など、多様なスキルを身につけられます。
- やりがいのある仕事:顧客の成功に直接貢献できる、達成感の高い仕事です。
- 比較的高い年収:JOB PICKSによると、平均年収は525万円〜と、IT業界の中でも高水準です。
転職成功の鍵
カスタマーサクセスへの未経験転職を成功させるためのポイントは以下の通りです:
- 業界・製品知識の習得:志望する企業の製品や業界について徹底的に学びましょう。
- 顧客志向の姿勢をアピール:顧客満足度向上への情熱を面接で伝えることが重要です。
- データ分析スキルの向上:基本的なExcelスキルやデータ分析の知識を身につけましょう。
- コミュニケーション能力の証明:過去の経験から、効果的なコミュニケーション例を準備しておきましょう。
- 自己学習の姿勢をアピール:カスタマーサクセスに関する書籍や記事を読み、知識を深めていることをアピールしましょう。
キャリアパス
カスタマーサクセスでのキャリアパスは以下のように進むことが一般的です:
役割 | 必要なスキル |
---|---|
カスタマーサクセスプレイヤー | 基本的な顧客対応、製品知識 |
カスタマーサクセスマネージャー(CSM) | 戦略的な顧客管理、チーム管理、戦略立案 |
このキャリアパスを歩む中で、以下のようなスキルアップが求められます。
- 顧客管理ツール(Salesforce, Gainsightなど)の高度な活用
- データ分析・可視化スキル(SQL, Tableau, PowerBIなど)
- プロジェクトマネジメントスキル
- リーダーシップとチームマネジメント能力
- ビジネス戦略の理解と立案能力
また、カスタマーサクセスはプロダクトと顧客の接点・現場で直に反応を得られる職種でもあるので、その企業内でもさまざまなキャリアパスが開かれます。
異職種へのキャリアチェンジとして最も多いのはPdM(プロダクトマネージャー)やPMM(プロダクトマーケティングマネージャー)であり、プロダクトに関する知識や顧客要望などを直に体験してきたからこそ転身できる職種が選ばれています。それ以外にもマーケターや人事・新規営業サイドなど、さまざまなキャリアの幅が広がる職種です。
下記記事ではカスタマーサクセスのキャリアパスについて詳しく解説していますので、ぜひ読んでみてください。
転職後の成長戦略
カスタマーサクセスへ転職後、さらなるキャリアアップを目指すためには以下の点に注力しましょう。
- 継続的な学習:業界のトレンドや新しいツールについて常にアップデートしましょう。
- 社内外のネットワーク構築:他部署や業界のプロフェッショナルとの関係づくりが重要です。
- 成果の可視化:自身の貢献を数値で示せるよう、日頃から成果を記録しておきましょう。
- 専門性の確立:特定の業界や製品カテゴリーのエキスパートとなることで、キャリアの幅が広がります。
- リーダーシップスキルの向上:チームリーダーやマネージャーへのステップアップを見据え、リーダーシップスキルを磨きましょう。
カスタマーサクセスの転職事例
6.1 アパレル販売員からの転職事例(28歳・女性)
「アパレル業界で5年間接客を担当していましたが、より安定した環境でキャリアを築きたいと考えていました。SaaS企業のカスタマーサクセスポジションに応募したのは、接客で培ったスキルを活かせると考えたからです。
最初は専門用語や業界知識、ITそのものの知識不足に苦労しましたが、アパレルでの経験で身につけた『お客様の要望を丁寧にヒアリングする力』が、予想以上に役立ちました。特に、お客様の課題やニーズを深掘りする際に、販売時の接客スキルが活きています。
転職して2年目になりますが、年収は以前より増加し、土日祝日も基本的に休めるようになりました。何より、お客様の事業成長に貢献できることにやりがいを感じています。」
6.2 法人営業からの転職事例(32歳・男性)
「製造業で法人営業として7年のキャリアがありました。ただ、単純な売り切り型の営業に限界を感じていたところ、カスタマーサクセスという職種を知りました。
営業時代のスキルは、想像以上に活かせています。特に営業にはつきものの提案力は、カスタマーサクセスでも重要なスキルでした。違いは、短期的な売上達成ではなく、顧客の長期的な成功にフォーカスすることです。
転職時は年収が若干下がりましたが、1年後には元の水準に戻り、今では以前より高い年収を得ています。また、営業時代よりもワークライフバランスが改善されました。」
まとめ
カスタマーサクセスは、顧客の成功を支援する重要な職種として注目を集めています。未経験からの転職も可能であり、コミュニケーション力や問題解決能力が求められます。特に、法人営業やカスタマーサポートなどの経験者は適性があります。この職種は、顧客視点を重視し、成長業界でキャリアを積みたい人に向いています。転職を成功させるには、プロダクトや業界の知識を深め、顧客満足度向上への熱意を示すことが重要です。カスタマーサクセスは、将来的にマネージャーや戦略立案者・異職種へのキャリアパスも期待できます。未経験者でも、適切なスキルと姿勢があれば、この魅力的な職種でキャリアを築くチャンスがあります。